難民と認定しなかった事例(3)

 

 

 

 

 申請者は,本国の居住地域において,A教の反政府武装組織が活動しており,申請者や姉が反政府武装組織のメンバーから脅迫等を受けたことを申し立て,帰国した場合,反政府武装組織のメンバーから迫害を受けるおそれがあるとして難民認定申請を行ったものである。

 

 

 

 

 

 申請者が主張する迫害主体は,A教の反政府武装組織のメンバーであるところ,本国情勢に係る客観的情報によれば,

 

 本国政府と反政府武装組織の包括的和平合意に基づき,反政府武装組織の武装解除が進められ,反政府武装

組織による暴力事件が大きく減少していること,

 

 警察が誘拐等の犯罪に関与した疑いのある反政府武装組織のメンバーを逮捕していることが認められるなど,

 

 

 本国政府当局がこれら反政府武装組織のメンバーによる違法行為を放置,助長するような特別な事情があるとは認められないこと,

 

 申請者の家族が今も本国で生活していることから,

 

 条約難民の要件である迫害を受けるおそれがあるとは認められないとして「不認定」とされた。