難民と認定された事例(2)

 

 

 

 本国政府は宗教Aの宗派Bの信仰を国民に強要し,宗派Bとは異なる伝統的なA教信者を弾圧しているところ,申請者は,政府による宗教弾圧について抗議運動を行ったことで複数回警察に連行され,拷問を受けたことから,帰国した場合,抗議運動等への参加を理由に拘束され拷問を受けるおそれがあるとして,難民認定申請を行ったものである。

 

 

 

 

 

 本国情勢に係る客観的情報によれば,本国による伝統的A教に対する弾圧が収束していることを示す情報もあるものの,

 

 現在もなお本国政府の基本的な方針は変わっていないことが認められる。

 

 申請者は,宗教に係る抗議運動への参加を理由として複数回警察に逮捕され,拷問されたことが認められ,

 

 上記のような本国情勢に鑑みれば,申請者が帰国した場合,

 

 再び宗教的信条等を理由に迫害を受ける客観的な危険性があると認められる。

 

 したがって,申請者は,「宗教」を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する者と認められ,難民条約及び同議定書第1条に規定する難民に該当すると認められた。