米国税務当局の取組事例

 

 

 

 

 米国申告書処理センターにおける入力と審査の集約処理

 

 

 

 

 

○米国では、人口の半数に当たる約1億4,900万件に上る個人所得税の確定申告が行われているが、

 

電子申告割合は2015会計年度で86%となっている。

 

これは、給付付き税額控除により還付金額が高額となる中、

 

電子申告の場合は早期還付のインセンティブがあることや、多数の申告代理業者による代理送信が普及していること、

 

また、申告代理業者に電子申告が義務付けられていることなどの理由によるものである。

 

 

 

○他方、書面による申告件数も、約2,100万件存在する(2015会計年度。日本は2015年分で1,310万件)。

 

これらの申告書は、全米に3か所設置された「申告書処理センター」において、入力から審査、簡易な誤りの是正指導のほか、その保存までが集中的に行われており、各業務は工程ごとの完全な分業制となっている。

 

また、還付金の処理や債権管理事務も、同一の敷地内にある別の事務センターで集約処理されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

滞納者との接触方法の自動判定

 

 

 

○米国では、滞納が生じた際、まずは書面により納付のしょうようが行われるが、それでも滞納が解消しない場合には、

 

①電話又は

 

②対面(実地)により納税者と接触し、納付のしょうようや分割納付のための手続等を行うか、あるいは

 

③滞納処分の執行を見合わせるかのいずれかの方法により事案の終結を目指している。

 

 

○①~③のいずれの方法を採るべきかについては、滞納している税額・税目・経過年数に加え、破産しているか否かといった徴収の困難性なども考慮しつつ、過去の徴収事績の結果を統計分析も活用してシステムが自動的に判定している。

 

○また、対面(実地)により納税者と接触することと判定された事案は、納税者の所得階級や滞納金額等、更に地理的な条件も踏まえ、各地域を担当する徴収職員のグループへ自動的に振り分けられる。