積上計算方式により算出された消費税額

 

 

 

 

 更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求事件、 東京地方裁判所判決/平成17年(行ウ)第603号

判決 平成18年12月8日、判例タイムズ1248号162頁について検討します。

 

 

 

 

 

【判示事項】

 

 

 確定申告において,いわゆる積上計算方式を選択していたにもかかわらず,いわゆる総額計算方式によったかのように表示した誤りがある場合,納税申告書に記載した課税標準等又は税額等の「計算に誤りがあったこと」(国税通則法23条1項1号)に該当する

 

 

 

 

 

 

 

主   文

 

 

1 処分行政庁が原告に対し,平成16年7月30日付けでした,原告の平成14年8月1日から平成15年7月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税に係る平成16年6月8日付け更正の請求に対する,更正をすべき理由がない旨の通知処分を取り消す。

 

2 訴訟費用は被告の負担とする。

 

       

 

 

事実及び理由

 

第1 請求

 主文と同旨

 

第2 事案の概要

 

1 関係法令

 

(1)国税通則法23条1項1号は,納税申告書を提出した者は,「当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあつたことにより,当該申告書の提出により納付すべき税額(当該税額に関し更正があつた場合には,当該更正後の税額)が過大であるとき。」は,当該申告書に係る国税の法定申告期限から1年以内に限り,税務署長に対し,その申告に係る課税標準等又は税額等につき更正をすべき旨の請求をすることができる旨規定している。

 

(2)

ア 消費税法45条1項は,事業者(免税事業者を除く。)は,課税期間ごとに,当該課税期間の末日の翌日から2か月以内に,①その課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等に係る課税標準である金額の合計額(課税標準額,同項1号)及び②課税標準額に対する消費税額(同項2号)のほか,同項3号ないし8号に掲げる事項を記載した申告書を税務署長に提出しなければならない旨規定している。

 

イ 上記ア②の消費税額の計算については,まず,消費税法45条1項に従えば,上記ア①の課税標準額に同法29条に規定する税率を乗じた金額を消費税額とすることになる(以下,この計算方式を「総額計算方式」という。)と解される。

 

 次に,消費税法施行規則22条1項(ただし,平成15年財務省令第92号による改正前のもの。以下同じ。)は,事業者(免税事業者を除く。)が,①課税資産の譲渡等に係る決済上受領すべき金額を当該課税資産の譲渡等の対価の額(消費税法28条1項に規定する対価の額をいう。)と当該課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額の合計額(以下「消費税額等」という。)に相当する額とに区分して領収する場合において,②当該消費税額等に相当する金額の1円未満の端数を処理したとき(以下,上記①と②を併せて「積上計算要件」という。)は,消費税法45条1項2号に掲げる課税標準額に対する消費税額の計算については,当該端数を処理した後の消費税額等に相当する額を基礎として行うことができる旨規定している(以下,この規定に従うことになると解される消費税額の計算方式を「積上計算方式」という。)。

 

 

 

 

 

 

 

2 前提事実(争いがない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)

 

(1)当事者

 原告は,魚介類販売等を業とする株式会社で,神奈川県を中心に26店(ただし,平成14年8月1日から平成15年7月31日までの課税期間(以下「本件課税期間」という。)においては25店)の小売店舗を有している。

 

(2)原告の確定申告

 

ア 原告は,法定申告期限内である平成15年9月30日,本件課税期間における消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)につき,次のとおり確定申告を行った(甲1。以下「本件確定申告」という。)。

(ア)消費税

 a 課税標準額      66億7038万3000円

 b 消費税額        2億6649万8599円

 c 控除対象仕入税額    2億2804万4810円

 d 差引税額(納付すべき消費税額)

                 3785万6900円

(イ)地方消費税

 a 課税標準となるべき消費税額 3785万6900円

 b 譲渡割額(納付すべき地方消費税額)

                  946万4200円

 

イ 原告は,本件確定申告において,確定申告書(甲1)の「参考事項」欄の「規則22条1項の適用」欄につき,「有」欄に○印を記載していた。

 

(3)原告の更正請求

 

ア 原告は,平成16年6月8日,本件確定申告の課税標準額に対する消費税等に計上誤りがあり,正しくは次のとおりの金額になるとして更正請求を行った(甲2。以下「本件更正請求」という。)。

(ア)消費税

 a 課税標準額      66億7374万3000円

 b 消費税額        2億6502万7222円

 c 控除対象仕入税額    2億2806万5085円

 d 差引税額(納付すべき消費税額)

                 3636万5300円

(イ)地方消費税

 a 課税標準となるべき消費税額 3636万5300円

 b 譲渡割額(納付すべき地方消費税額)

                  909万1300円

 

イ 処分行政庁は,平成16年7月30日,本件更正請求につき,国税通則法23条1項所定の更正の請求ができる場合に当たらないとして,更正をすべき理由がない旨の通知処分を行い(以下「本件通知処分」という。),翌日,原告にその旨通知した(甲4,5)。

 

(4)原告の異議申立て等

 

ア 原告は,平成16年9月24日,本件通知処分に不服があるとして,戸塚税務署長に対し,異議を申し立てたが,同税務署長は,同年12月21日,当該異議申立てを棄却し,同月22日,原告にその旨通知した(甲5から7まで)。

 

イ さらに,原告は,平成17年1月18日,本件通知処分に不服があるとして,国税不服審判所長に対し,審査請求をしたが,国税不服審判所長は,同年6月20日付けで原告の審査請求を棄却して,そのころ,原告にその旨通知した(甲7,8)。

 

 

 

 

 

 

3 争点

 本件における主要な争点は,原告が,本件確定申告において,積上計算方式を選択していたにもかかわらず,総額計算方式によったかのように表示した誤りがあるとの原告の主張を巡る以下の点であり,これらについて摘示すべき当事者の主張は,後記第3「争点に対する判断」において記載するとおりである。

 

 (1)国税通則法23条1項1号該当性

 (2)本件確定申告の錯誤無効

 

 

 

 

 

 

第3 争点に対する判断

 

1 争点(1)について

 

(1)前記前提事実並びに証拠(甲3,8,11)及び弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。

 

ア 本件課税期間において,原告が全店舗で使用していたレジスターは,取引ごとに商品価格の合計額を「小計」としてレシートに記載し,その商品価格の合計額に消費税等の税率を乗じた上で1円未満の金額を切り捨てる端数処理をした金額(消費税額等)を「外税」としてレシートに別個に記載する設定となっていたほか,「小計」欄の金額と「外税」欄の金額との合計額を「合計」としてレシートに記載して表示する設定になっていた。

 

 

 また,上記レジスターでは,1日の売上を集計する際,1日に売り上げた商品価格の合計額と消費税額等とを別個にレシート上に表示して集計していた。

 

 

イ 原告は,本件課税期間における全店舗での取引につき,上記レジスターを用いて,商品価格の合計額と各取引ごとに端数処理された消費税額等とを区分して表示したレシートを発行して,その合計額(代金)を受領していた。

 

 

ウ 原告は,横浜市戸塚区深谷町所在の本店である「A店」と称する店舗(以下「A店」という。)においては,商品価格の合計額に相当する金員と前記アの計算方法に従って算出した消費税額等に相当する金員とを別個の普通預金口座に預け入れていた。

 

 

エ 原告から税務申告業務を委任された丙山一郎税理士(以下「丙山税理士」という。)は,税務申告書をコンピュータで作成していた。

 

丙山税理士の補助者は,原告の本件課税期間における消費税等を申告するに当たり,当該コンピュータの会計ソフト(以下「本件会計ソフト」という。)を用いて,確定申告書の「規則22条の適用」欄の「有」欄に○印を,

 

A店については,上記ウのとおり消費税額等が預け入れられている預金口座の金額を入力したが,

 

その他の店舗については,

 

操作を誤り,

 

各店舗が1日に売り上げた商品価格の合計額と消費税額等との合計額(商品売上高)を本件会計ソフトに入力したものの,

 

本件会計ソフトにおいて積上計算方式により算出される消費税額を求めるために必要な情報を入力しなかった。

 

本件会計ソフトは,上記必要な入力がなされていない場合,自動的に総額計算方式を前提にして入力された商品売上高から逆算して消費税額等を算出するように設定されていたため,

 

A店以外の店舗の消費税額の算出については,

 

入力された商品売上高から逆算して消費税額等を算出し,

 

その上で,消費税額と地方消費税額とをそれぞれ算出していた。

 

その結果,丙山税理士の補助者は,

 

A店については積上計算方式に従って求められた消費税額を,

 

A店以外の店舗については総額計算方式によって商品売上高から逆算して求められた消費税額をそれぞれ基礎にして得られた原告の消費税額等を記載した確定申告書を作成し,

 

丙山税理士も,同確定申告書に記載された消費税額等を原告の消費税額等として,原告の確定申告業務を処理した。

 

 

 

オ 原告が,A店と同様に,他の24店舗についても積上計算方式により算出される消費税額を用いた場合,その内訳及び結果は,前記前提事実(3)ア(本件更正請求)のとおりとなる。

 

しかしながら,原告は,上記エの経過で,本件確定申告において,課税標準額66億7038万3000円,消費税額2億6649万8599円,納付すべき消費税額3785万6900円,納付すべき地方消費税額946万4200円と申告した。

 

 

(2)上記各事実を前提に本件更正請求が国税通則法23条1項1号に規定する要件を満たすか否かについて検討する。

 

 

ア 国税通則法23条1項1号は,更正請求を行うための要件として,

 

①納税申告書に記載した課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったこと,

 

②上記①により,当該申告書の提出により納付すべき税額(当該税額に関し更正があった場合には,当該更正後の税額)が過大であることを要求している。

 

 

そこで,消費税額を算出するためにどのような定めがあるかが問題となるところ,

 

前記関係法令で記載したとおり,

 

消費税法45条1項の文言によると,同条は総額計算方式を規定しているものと解され,

 

他方,消費税法施行規則22条1項は積上計算方式を規定しているものと解される。

 

 

そして,

 

両計算方式の関係については,

 

被告が,前者を原則,後者を例外と主張し,原告が,両者にそのような関係がないと主張する。

 

この点については,まず,消費税が,納税者の申告により確定するところ(消費税法45条1項,国税通則法16条1項1号),

 

当該確定申告においては,消費税の課税標準額として,課税期間中に国内で行った課税資産の譲渡等に係る課税標準である金額の合計額の記載を求め(消費税法45条1項1号),

 

事業者の価格表示や経理処理の方法いかんにかかわらず,

 

上記課税標準額に消費税の税率を乗じることにより,

 

課税標準額に対する消費税額を算定するものとしていると解される(同条項2号)。

 

他方,消費税導入から当分の間,多くの事業者において,値札等では税抜価格のみを表示して代金決済の段階で別途消費税等相当額を請求するという外税方式を採用し,

 

各取引における消費税相当額の端数は,各取引ごとに切り捨てて処理することが予想されたことから,

 

一定の要件を満たす場合に,当該処理に即した計算方式によって算出した金額をもって確定申告できるよう,積上計算方式が設けられたものというべきである。

 

 

 

以上からすれば,

 

総額計算方式と積上計算方式の関係について,

 

消費税法の規定上は,総額計算方式が原則的な計算方式で,積上計算方式は特則であるといえるものの,

 

消費税法施行規則22条1項の「法第45条第1項第2号に掲げる課税標準額に対する消費税額の計算については,当該端数処理をした後の消費税額等に相当する額を基礎として行うことができる。」との文言からすれば,

 

 

積上計算要件を満たした事業者が,当該課税期間の消費税額の計算につき,総額計算方式により算出するか,積上計算方式により算出するかは専ら当該納税者の自由な選択にゆだねられていると解される。

 

そうすると,

 

本件確定申告において,いずれの計算方式が採用されているのかということは,

 

結局のところは,

 

原告が,上記のいずれの計算方式によるものとして,本件確定申告をしたのかという問題に帰着するのであって,

 

上記の規定上の原則・特則という関係から演繹的にいずれの計算方式によるかが決定されるものではないということになる。

 

 

 

イ そこで,次に,原告が,本件確定申告において,総額計算方式,積上計算方式のいずれの方法を選択したのかについて検討する。

 

 

(ア)積上計算要件について規定する消費税法施行規則22条1項において本体価額と消費税額等とを「区分して領収する」とは,

 

代金の決済に当たって,本体価格と1円未満の端数を処理した後の消費税額等とを領収書又は請求書等において区分して明示している場合を指すと解されるところ,

 

原告は,本件課税期間において全店舗で本体価格の合計額と消費税額等とを別個に表示して代金を受領しており,

 

また,

 

各取引時の本体価格の合計額から算出された消費税額等の端数処理を行い,その金額をレシートに表示するレジスターを採用していたのであって(前記(1)ア,イ),

 

これらの事実からすれば,原告は,積上計算要件を満たすよう事務処理対応をしていたものと認められる。

 

 

 

(イ)また,積上計算方式を選択した場合には,総額計算方式を選択した場合と比較して取引数の増加に対応して消費税額が低くなるところ,

 

前記前提事実及び証拠(甲3)によれば,

 

原告は,魚介類販売等を業とし,経営する複数の小売店舗において販売を行っていたものであり,小口取引を極めて多量に行う企業であったと認められることからすれば,

 

あえて積上計算要件を満たす処理を行っていた原告において,

 

総額計算方式を選択して確定申告をする合理性は見いだし難い。

 

 

(ウ)さらに,原告は,本件確定申告に係る確定申告書(甲1)の「規則22条1項の適用」欄の記載につき,「有」欄に○印を記載しており(前記前提事実(2)イ),

 

同確定申告書の計算結果上も,本件確定申告時に少なくとも一部の店舗については積上計算方式を利用する意思が明確にされていたことが認められる。

 

なお,同確定申告書は原告に依頼した税理士の下でコンピュータの自動計算機能を用いて作成されたものである。

 

 

 

(エ)上記(ア)から(ウ)までの各事情を総合すれば,原告は,本件確定申告において,本件課税期間の消費税額等の算出方法につき,全店舗とも積上計算方式を選択していたと認められる。

 

 

 なお,被告は,消費税法上,積上計算方式の適用は,消費税法施行規則22条1項所定の要件を満たす事業者が,課税標準額に対する消費税額の計算について,積上計算方式により算出された消費税額相当額を確定申告書に記載することによってのみ認められるとし,

 

本件において原告は一部店舗の消費税額の計算について積上計算方式によって行ったというべきであると主張するもののようである。

 

しかしながら,

 

消費税法施行規則22条1項においては,同条項による計算方式の選択に当たり,積上計算要件のほか特段の要件を定めておらず,その他被告が主張するように,正しく計算された消費税額相当額を確定申告書に記載して提出しなければその適用が制限されることを明文で定めた法規もないことからすれば(この点で確定申告書の付記事項欄に記載されている他の特例とは異なる。),

 

本件確定申告において提出された確定申告書の消費税額欄の記載が積上計算方式により算出された消費税額の記載ではなかったとしても,そのことから,直ちに納税者が本件確定申告において積上計算方式を選択しなかったものとはいえず,被告の上記主張は採用できない。

 

 

 

ウ 以上によれば,本件確定申告は,原告の経営する全店舗の消費税額につき,消費税法施行規則22条1項所定の積上計算方式を選択して申告し,本来であれば「端数を処理した後の消費税額等を基礎として」計算すべき(消費税法施行規則22条1項)であったにもかかわらず,コンピュータが介在することによって,たまたま誤って当該店舗の本体価格と当該取引で受領した消費税等相当額の合計額から総額計算方式で算定された消費税額を逆算するのと同様の計算をしてしまったものであるから,納税申告書に記載した課税標準等又は税額等の「計算に誤りがあったこと」(国税通則法23条1項1号)に該当するといえる。

 

 

 

この点に関して,被告は,本件確定申告において,A店については積上計算方式によって算定した金額を,その他の24店舗については総額計算方式を適用した金額をもって消費税額等として行っても,納税者が一部について積上計算方式を適用することも可能であって,その申告は消費税法施行規則22条1項に反するものではなく適法である,

 

あるいは,

 

自らの計算方式の選択の誤りを理由として更正の請求を認めるとするのは「納税者の意思によって税の確定が左右されること」(最高裁昭和62年11月10日第三小法廷判決・訟務月報34巻4号861頁)を認めることになり失当である旨主張する。

 

しかしながら,被告の上記主張はいずれも原告が本件確定申告において,A店以外は総額計算方式を選択したことを前提とすることになるものであるところ,原告は前記イのとおり,本件確定申告において消費税法施行規則22条1項の積上計算方式を選択しているのであるから,その前提を欠き失当である。

 

 

 また,被告は,原告が本件確定申告において,A店については積上計算方式,その他の店舗については総額計算方式によって,それぞれ各規定に従った計算を行っており,

 

計算過程に誤りもないとして,「計算に誤りがあったこと」に当たらない旨主張する。

 

しかしながら,

 

前記アのとおり,消費税額の算出においては納税者に計算方式の選択がゆだねられていることからすれば,その納税者の選択の自由を無視して,納税者がその選択した方式とは別個の法律に規定された計算方式により計算された数額(なお,本件においては,総額計算方式に基づいて商品売上高から逆算して算出された消費税額である。)と結果においてたまたま一致したことを理由に,国税通則法23条1項1号の「計算に誤りがあったこと」の要件に該当しないと判断することはできないというべきであって,被告の上記主張も採用できない。

 

 

エ 前記ア②の要件につき,本件確定申告においては,原告の経営する全店舗について積上計算方式により消費税額等を計算すれば,納付すべき消費税額について149万1600円,納付すべき地方消費税額について37万2900円,本件確定申告における申告額よりもいずれも下回ることが認められる(前記前提事実(2)ア,

 

(3)ア,前記(1)オ)から,上記要件も充足することになる。

 

 

オ したがって,本件更正請求は,国税通則法23条1項1号の各要件に該当する。

 

 

2 よって,その余の点(争点(2))について判断するまでもなく,本件更正請求が国税通則法23条に定める更正の請求ができる場合に該当しないとして,更正をすべき理由がないとした本件通知処分は違法であり,取消しを免れない。

 

 

 (裁判長裁判官・大門 匡,裁判官・吉田 徹,裁判官・小島清二)