タワーマンションの購入価額と相続税評価額との差額を利用した節税行為について検討します。
財産評価基本通達
1 評価の原則
財産の評価については、次による。
(1) 評価単位
財産の価額は、第2章以下に定める評価単位ごとに評価する。
(2) 時価の意義
財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期(相続、遺贈若しくは贈与により財産を取得した日若しくは相続税法の規定により相続、遺贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日又は地価税法第2条《定義》第4号に規定する課税時期をいう。以下同じ。)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による。
(3) 財産の評価
財産の評価に当たっては、その財産の価額に影響を及ぼすべきすべての事情を考慮する。
6 この通達の定めにより難い場合の評価
この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、
国税庁長官の指示を受けて評価する。
によると、
たとえば、
審査請求人が、タワーマンション30階の1室を、相続財産として評価基本通達に基づき評価して相続税の申告をしたのに対し、原処分庁が、請求人は、相続開始日に死亡した養父である被相続人から同マンションの取得に係る代金相当額の贈与を受けたとみなされるから、その代金相当額は相続開始前3年以内の贈与財産に該当し相続税の課税価格に加算される、
といった認定や、
本件マンションは評価基本通達の定めによらず、他の合理的な方法による評価が許されるものと解するのが
相当である。
そうすると、
①被相続人の本件マンション取得時(平成19年8月)と相続開始時が近接していること、
②被相続人の本件マンションの取得時の金額が2億9300万円であること、
③請求人から本件マンションを取得したBが売却を依頼した時点(平成20年7月及び同年8月)の媒介価額は、3
億1500万円であること、
④本件マンションの近傍における基準地の価格は、相続開始日の前後においてほぼ横ばいであること
等を参酌すると、相続開始時における本件マンションの時価は、取得価額とほぼ同等と考えられるから、本
件マンションは2億9300万円と評価するのが相当である。
といった判断が可能になるのか?
悩ましいところです・・・