イスラム教の信仰の根幹は、六信と五行、すなわち、6つの信仰箇条と、5つの信仰行為から成り立っている。
六信は、次の6つである。
1.神(アッラー)
2.天使(マラーイカ)
3.啓典(クトゥブ)
4.使徒(ルスル)
5.来世(アーヒラ)
6.定命(カダル)
このうち、特にイスラム教の根本的な教義に関わるものが神(アッラー)と、使徒(ルスル)である。ムスリムは、アッラーが唯一の神であることと、その招命を受けて預言者となったムハンマドが真正なる神の使徒であることを固く信じる。イスラム教に入信し、ムスリムになろうとする者は、証人の前で「神のほかに神はなし」「ムハンマドは神の使徒なり」の2句からなる信仰告白(シャハーダ)を行うこととされている。
また、ムスリムが取るべき信仰行為として定められた五行(五柱ともいう)は、次の5つとされている。
1.信仰告白(シャハーダ)
2.礼拝(サラー)
3.喜捨(ザカート)
4.断食(サウム)
5.巡礼(ハッジ)
これに、奮闘努力(ジハード)を6つめの柱として加えようという意見もあるが、伝統的には上の5つである。
これらの信仰行為は、礼拝であれば1日のうちの決まった時間、断食であれば1年のうちの決まった月(ラマダーン、ラマダン)に、すべてのムスリムが一斉に行うものとされている。このような行為を集団で一体的に行うことにより、ムスリム同士はお互いの紐帯を認識し、ムスリムの共同体の一体感を高めている。
集団の一体感が最高潮に達する信仰行為が巡礼(ハッジ)であり、1年のうちの決まった日に、イスラム教の聖地であるサウジアラビアのメッカ(マッカ)ですべての巡礼者が定まったスケジュールに従い、同じ順路を辿って一連の儀礼を体験する。
フランス革命から始まる「自由・平等・友愛」の理念は神、歴史からの決別である。
18世紀のヨーロッパ各国では、自然権や平等主義、社会契約説、人民主権論など理性による人間の解放を唱える啓蒙思想が広まっていた。責任内閣制を成立させ産業革命が起こりつつあったイギリス、自由平等をアメリカ独立宣言で掲げて独立を達成したアメリカ合衆国は、他国に先駆けて近代国家への道を歩んでいた。プロイセンやロシアでも、絶対君主制の枠を超えるものではなかったものの、政治に啓蒙思想を実践しようとした啓蒙専制君主が現れた。アンシャン・レジームに対する批判も、ヴォルテールやルソーといった啓蒙思想家を中心に高まっていた。
「自由・平等・友愛」の理念に基づく政治経済システム、技術進歩が物質的な困窮から人間を解放し、世界を平和にする、という文明と、ムスリムの信仰が社会生活のすべての側面を規程するイスラム文明との衝突がパリの同時テロの根源にある。
人は、「自由・平等・友愛」といった抽象的な原理によってバラバラにされた人々の紐帯や共同体(過疎化する地方等)を破壊しつくしてどこへ向かうのだろうか?
一部ウィキペディアより引用