行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(4)




【第20条(収集等の制限)】


(収集等の制限)


第二十条 何人も、前条各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報(他人の個人番号を含むものに限る。)を収集し、又は保管してはならない。















【第19条(特定個人情報の提供の制限)】


(特定個人情報の提供の制限)


第十九条 何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報の提供をしてはならない。


一 個人番号利用事務実施者が個人番号利用事務を処理するために必要な限度で本人若しくはその代理人又は個人番号関係事務実施者に対し特定個人情報を提供するとき。

二 個人番号関係事務実施者が個人番号関係事務を処理するために必要な限度で特定個人情報を提供するとき(第十号に規定する場合を除く。)。

三 本人又はその代理人が個人番号利用事務等実施者に対し、当該本人の個人番号を含む特定個人情報を提供するとき。

四 機構が第十四条第二項の規定により個人番号利用事務実施者に機構保存本人確認情報を提供するとき。

五 特定個人情報の取扱いの全部若しくは一部の委託又は合併その他の事由による事業の承継に伴い特定個人情報を提供するとき。

六 住民基本台帳法第三十条の六第一項の規定その他政令で定める同法の規定により特定個人情報を提供するとき。

七 別表第二の第一欄に掲げる者(法令の規定により同表の第二欄に掲げる事務の全部又は一部を行うこととされている者がある場合にあっては、その者を含む。以下「情報照会者」という。)が、政令で定めるところにより、同表の第三欄に掲げる者(法令の規定により同表の第四欄に掲げる特定個人情報の利用又は提供に関する事務の全部又は一部を行うこととされている者がある場合にあっては、その者を含む。以下「情報提供者」という。)に対し、同表の第二欄に掲げる事務を処理するために必要な同表の第四欄に掲げる特定個人情報(情報提供者の保有する特定個人情報ファイルに記録されたものに限る。)の提供を求めた場合において、当該情報提供者が情報提供ネットワークシステムを使用して当該特定個人情報を提供するとき。

八 国税庁長官が都道府県知事若しくは市町村長に又は都道府県知事若しくは市町村長が国税庁長官若しくは他の都道府県知事若しくは市町村長に、地方税法第四十六条第四項若しくは第五項、第四十八条第七項、第七十二条の五十八、第三百十七条又は第三百二十五条の規定その他政令で定める同法又は国税(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第一号に規定する国税をいう。以下同じ。)に関する法律の規定により国税又は地方税に関する特定個人情報を提供する場合において、当該特定個人情報の安全を確保するために必要な措置として政令で定める措置を講じているとき。

九 地方公共団体の機関が、条例で定めるところにより、当該地方公共団体の他の機関に、その事務を処理するために必要な限度で特定個人情報を提供するとき。

十 社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第五項に規定する振替機関等(以下この号において単に「振替機関等」という。)が同条第一項に規定する社債等(以下この号において単に「社債等」という。)の発行者(これに準ずる者として政令で定めるものを含む。)又は他の振替機関等に対し、これらの者の使用に係る電子計算機を相互に電気通信回線で接続した電子情報処理組織であって、社債等の振替を行うための口座が記録されるものを利用して、同法又は同法に基づく命令の規定により、社債等の振替を行うための口座の開設を受ける者が第九条第三項に規定する書面(所得税法第二百二十五条第一項(第一号、第二号、第八号又は第十号から第十二号までに係る部分に限る。)の規定により税務署長に提出されるものに限る。)に記載されるべき個人番号として当該口座を開設する振替機関等に告知した個人番号を含む特定個人情報を提供する場合において、当該特定個人情報の安全を確保するために必要な措置として政令で定める措置を講じているとき。

十一 第五十二条第一項の規定により求められた特定個人情報を特定個人情報保護委員会に提供するとき。

十二 各議院若しくは各議院の委員会若しくは参議院の調査会が国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第百四条第一項(同法第五十四条の四第一項において準用する場合を含む。)若しくは議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(昭和二十二年法律第二百二十五号)第一条の規定により行う審査若しくは調査、訴訟手続その他の裁判所における手続、裁判の執行、刑事事件の捜査、租税に関する法律の規定に基づく犯則事件の調査又は会計検査院の検査(第五十三条において「各議院審査等」という。)が行われるとき、その他政令で定める公益上の必要があるとき。

十三 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合において、本人の同意があり、又は本人の同意を得ることが困難であるとき。

十四 その他これらに準ずるものとして特定個人情報保護委員会規則で定めるとき。









第20条 解説





1 主体


何人も対象となる。例えば、個人番号利用事務等実施者の職員等として個人番号利用事務等に携わる者が、その事務に必要な範囲を超えて、他に売り渡す目的で特定個人情報を収集、保管する場合が考えられる。また、個人番号利用事務等実施者の職員等でない者、例えば、店員が、身分確認書類として個人番号カードの提示を受けた場合において、写真等を確認して身分確認をするにとどまらず、そこに記載された個人番号を書き取り、収集・保管する場合も対象となる。






2 「前条各号のいずれかに該当する場合を除き」


第19条は特定個人情報の提供を原則禁止するとともに一定の場合に例外を認めることとしているところ、例外として特定個人情報について提供が認められる場合には、提供を受ける者にとっては、これを収集・保管することが必要であることが想定される。そこで、特定個人情報の提供が例外として許される場合については、収集等の制限についても例外とするものである。





3 「特定個人情報(他人の個人番号を含むものに限る。)」


本人が自身の特定個人情報を入手してこれを保管することは当然認められるべきであるため、対象を他人の個人番号を含む特定個人情報に限定している。

「他人」とは「自己と同一の世帯に属する者以外の者」である(第15条が本条において同様である旨規定している。)ことから、例えば、幼い子供の特定個人情報について、その親がこれを収集・保管することは認められる。

「個人番号」には「個人番号に対応し、当該個人番号に代わって用いられる番号、記号その他の符号であって、住民票コード以外のもの。」も含まれる(第2条第7項が本条において同様である旨規定している。)。したがって、例えば、個人番号の1,2,3…を、a,b,c…と読み替えるという規則に従って個人番号を別の数字、記号又は符号に置き換えるなどした場合であっても、本条の規制の対象となる。





4 「収集し、又は保管してはならない」


「収集」とは集める意思をもって自己の占有に置くことをいう。人から取得する場合のほか、電子計算機等から取得する場合も含む。情報を閲覧することのみでは「収集」にあたらない


「保管」とは、自己の勢力範囲内に保持することをいう。個人番号が記録された文書や電磁的記録を自宅に持ち帰り、置いておくことなどである。





5 担保措置について


国の機関の職員等が、職権を濫用して、本条に違反して特定個人情報を収集した場合には、刑事罰の対象となる(第71条)。

また、本条違反の行為については、特定個人情報保護委員会による勧告の対象となる。さらに、勧告に従わなかった場合又は勧告がなされていなくても緊急に措置をとる必要がある場合は是正命令の対象となり、この命令に反した場合には、刑事罰の対象となる(第73条)。






 

 

 

Q2‐2 税務関係書類は、どのような人の個人番号・法人番号を記載することになるのですか。

 


(答)


社会保障・税番号制度の導入に伴う税制上の対応として、

 

1平成25年5月に番号法整備法、

2平成26年5月に社会保障・税番号制度に係る税法の政令、

3平成26年7月に税法の省令がそれぞれ公布され、

 

申告書・法定調書等の記載事項に提出者及び一定の者に係る個人番号・法人番号を追加するなどの措置がなされました。


具体的には、

1 申告書等を提出される方

2 申告書等に記載された所得税の控除対象となる配偶者及び扶養親族

3 申告書等に記載された青色事業専従者及び白色事業専従者

4 源泉徴収義務者等を経由して税務署長等に提出すべきこととされている申告書等を提出される方及び当該申告書を受理した源泉徴収義務者等

5 法定調書の対象となる金銭等の支払等を受ける方その他法定調書に記載すべき方(控除対象扶養親族等)


の個人番号・法人番号の記載が必要となります。


なお、納付書や所得税徴収高計算書については、個人番号・法人番号の記載を追加する措置が規定されていないため、個人番号・法人番号記載の必要はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q2‐4 個人番号・法人番号は、いつから申告書、法定調書等の税務関係書類に記載する必要があるのですか。


 

 

(答)


申告書、法定調書等の税務関係書類への個人番号・法人番号の記載は、例えば、

 

1 所得税や贈与税については、平成28年分の申告書(平成29年1月以降に提出するもの(平成28年分の準確定申告書にあっては平成28年中に提出するもの))から、

2 法人税については、平成28年1月1日以降に開始する事業年度に係る申告書から、

3 消費税については、平成28年1月1日以降に開始する課税期間に係る申告書から、

4 相続税については、平成28年1月1日以降の相続又は遺贈に係る申告書から、

5 酒税・間接諸税については、平成28年1月分の申告書から、

6 法定調書については、平成28年1月以降の金銭等の支払等に係るものから、

7 申請・届出書等は、平成28年1月以降に提出するものから(税務署等のほか、給与支払者や金融機関等に提出する場合も含みます。)個人番号・法人番号の記載が必要となります。










Q2‐10 従業員や講演料等の支払先等から個人番号の提供を受けられない場合、どのように対応すればいいですか。




(答)


法定調書作成などに際し、個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載しないで書類を提出せず、個人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。 


それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。 


経過等の記録がなければ、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録をお願いします。 


なお、法定調書などの記載対象となっている方全てが個人番号をお持ちとは限らず、そのような場合は個人番号を記載することはできませんので、個人番号の記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはありません。