本日は 第63節 人生計画に即した善の定義 から
個人は本人のねらいや大義、すなわち人生において自分が行なおうと意図していることを記述するこ
とによって、おのれが何者であるのかを示す。
この計画が合理的であるならば、自分の善に関する当人の構想も同様に合理的だ。
現在において私たちは確かに意思決定しうる。
合理的な人びとはその時々に、現時点で重要である欲求ならびに合理的選択の原理とともに、自らの
状況や信念に照らして、さまざまな行動計画の間で選択している。
ある個人が何になるか、どのような仕事や職業に就くのかを意思決定するとき、彼はある特定の人生
計画を採用している。
時が経つにつれ、彼の選択はある一定の欲求と願いのパターン(もしくは両者を欠いたパターン)を獲得するように彼を導く。
そのような欲求と願いのあるものは彼に特有であるが、他のものは彼の選択した仕事、もしくは生き方に典型的なものである。
こうした考慮事項はじゅうぶんに明白に思われる。
またこれらの考慮事項は、正義構想の選択が、社会の基礎構造によって仕向けられる達成目標と利害関心の類いに必ず及ぼす重大な影響力をもつ。
どのような人になりたいのかについての確信もまた、どのような正義の原理を受諾するかに深く関係
している。