米国の正義 Do the right thing ? (48)




本日は第54節 多数決ルールの位置づけ から






 

 

 

 手続きは正義の諸条件を満たすような多数決原理が策定される。多数派の意見が的確である可能性は一定程度明らかである。

 

 社会システム全体としては効率的な判断を下している。市場と選挙は類似している。しかし、市場は効率性、立法は正義性といった異なる目的を持つ。

 

 正義をめぐる問いかけには欲求強度や確信の強さを考慮に入れてはいけない。

 

 

 格差原理の適用において、最も不遇な人々の見通しの中に自尊という基本財を含めることが必要である。

 

 それは今のところ政治的な決着という着地点が有効な原理として働く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 以下 『綻びゆくアメリカ』、ジョージ・パッカー、2013 より

 

 

 

 

 「俺はこう思うんだーーこの国を変えたければ、全然成功したことのないやつを公職につかせるべき

  だ、俺みたいなどこにでもいるやつ、ひたすら生きてきたやつ、生きることしかしてこなかったよ

  うなやつを抜擢するんだ」。

 

  彼(ダニー ウォルマート従業員、時給8ドル50セント)はダイエットペプシをひと口飲んだ。

 

 「俺たちは苦労しているが、飢え死にしかけてるわけじゃない、人生の華はないが、住むところはあ

  る」

 

 

 「それが自由の代償さ」。

 

 

 

  デニス(ウォルマート従業員、時給8ドル60セント、2年働いている。)が言う、

 

 

 「家に帰れば横になるベッドがある、食べ物もソーダも、紅茶だってあるーー俺はこれでかまわな

  い、ーーそりゃもっと裕福になれたらと思わなくもないけど、世界がいまのままであるかぎり、全

  部そろった生活なんてありえないだろ、人それぞれ選んだ道を進むってことさ」