米国の正義 Do the right thing ? (44)





本日は 第50節 卓越性原理から




 

 

 卓越性原理、正義の二原理(自由とそこから生じる不平等)は理想に関する原理である。芸術や科学における卓越性は、正義の原理によらない重要な価値判断に依拠する。その価値判断は階級、集団間で喰い違い、不確実なものである。その直観主義的な形態は、社会正義の根拠によらないため、適当ではない。

 

 個々の大学、研究所、オペラ、演劇は、他の納税者の多大な負担を強いて、支援されるべきものではない。

 

 

 

 

 

 私見、卓越性は一身専属的なもので、それは社会の内側に存し、人が伝え、承継、守り保つことにより、cultivateされcultureとなる。そこには「自由」と「正義」といったわかりやすいキー概念よりも重い思考が隠されている。

 

 「人間の意思と理性によっていずれは世界を完全なものに近づけることができるという思は、・・・キリスト教的な「最善説」の言いかえなのではなかろうか。・・・西欧の近代主義、合理主義、技術主義は、一方でキリスト教世界観の否定であるとともに、他方ではその後継者なのである。」(佐伯啓思先生著『文明的野蛮の時代』2013年)