本日は 第48節 正当な予期と道徳上の功績 から
所得と富、善い事物は道徳上の功績に応じて分配されねばならない。（分配的正義）しかし、当該分配は道徳的真価を現すものではない。
道徳的真価は 正と正義 という概念に対して派生する概念である。
正義にかなった制度枠組みは各人に各人の権利・資格を割当てる。
経済的・社会的な相対的利益の分配は、効率と正義に合致する。
私見、ここでは格差は是認される。この点ピケティ先生は、蓄積された富裕国の富はタックス・ヘイブン等で隠ぺいされ、当該蓄積された資本は国際間を瞬時に移転するため、分配機能を有する国家という枠組みに縛られた税制では捕捉できない。そこで世界的な資本税を検討している。
しかし、税の国家間的協調は相当困難である。例えば、中国で生産されたiphoneを日本の消費者が購入した場合、当該製品に係る最終的な利益はアイルランドで課税されている。当該利益にかかる課税権を誰が公平に当該国家間に分配できるのであろうか？