蟻の正義 Do the right thing ? (12)



 本日は第4章 自分がよければ から





 

 

 

 生物は、個体の遺伝的利益を最大にするように行動するが、それと矛盾しない形で他者と協同する「社会」が生物の世界で進化してきた。

 

 

 人でもムシでも各個体は社会システムのなかで生産活動を行い、その一部を何らかの形で社会に還元する。

 

 

 このような社会システムでは、いわゆるフリーライダー問題が生じる。

 

 

 メンバーが利他的にふるまう社会では、フリーライダーが現れる。

 

 

 土畑重人先生は、この問題を研究し、フリーライダーがコロニー間を移動する、「感染率」とフリーライダーのコロニー自体の増殖率に対する負の影響、いわば「毒性」のバランスが、一定の地域で利他者とフリーライダーの系、双方の存亡にとって重要であることを突き止めた。

 

 

 

 

 毒性が強い病原体は別の宿主に移る前に宿主を殺してしまうと淘汰されてしまう。

 

 

 

 

 

 

 私見、淘汰されるのも自然現象であるが、淘汰されずに新しい宿主が生まれ、社会全体で一定のバランスが保たれるのは、アダム・スミス先生のいうような「神の手」というべきものである。

 

 そう解すると、佐伯先生(1999年 『アダム・スミスの誤算』)の、「スミスの議論をひとつの意図のもとに収斂させること自体に無理があるのだろう。」ということに大きな意味が見いだされてくる。

 

 

 

 

 米国はコメのクニと書かれるが、相当毒性が強いのである・・・・