会計事務所にとってこの時期は比較的平和な時期なので、John Rawls を読んでみようと思う。
本稿の引用は『正義論』紀伊國屋書店 2011年 第4刷による。
第1章 公正としての正義
第1節 正義の役割
真理は思想の体系にとって第一の徳
正義は社会の諸制度が発揮すべき効能であり、この機能により 自由 が確保される。
そもそも何が正義で何が不正義であるかという問題は解決できない。
正義の合意以外に、協調性、効率性、安定性が社会の根本的な問題である。
しかし、正義は協調性、効率性、安定性に優先、選考される。
第2節 正義の主題
社会の諸制度は一定のスタート地点を占める人々の方を他の人々よりも優遇する。これは深刻な不平等を生み出す。
社会の基礎構造は正義、不正義である。すべてを包括する完璧な構想を構成するのが、正義の諸原理である。
第3節 正義の理論の中心的理念
平等な自由のもとで合理的な人々がなす選択が正義の諸原理を決定する。社会の基礎構造に関わる正義の諸原理が原初的な合意、契約、の対象となる。
しかし、公正としての正義は、完結した契約理論ではない。
第4節 原初状態と正当化
原初状態が、適切な契約の出発点で、そこで達成される合意が公正なものであることを保証する。
当該原初状態は直感的な観念である。
第5節 古典的功利主義
契約説と功利主義の相違点は本質的に同じものになる。
直観主義、卓越主義、功利主義の見解では、社会に帰属するすべての人々の満足を総計した正味残高が最大となるような諸制度が編成されていれば、当該社会は正義かなっているとされる。
この場合において、理想的な立法は自己の利潤を最大化する企業家としての側面と、これらの財の組み合わせにより自分の満足を最大化する消費者的側面を有することとなる。
功利主義は諸個人の間の差異を真剣に受け止めていない。