r>g 資本収益率と経済成長率(4)




本日は第3章、資本の変化です。




 

 

 資本は常にリスク志向であり、はじめのうちは起業精神にあふれている。十分に蓄積されるとレントに変わろうとする。

 

 レント=地代収入、不動産所得 さしずめ金持ち父さん的な収入(筆者注)

 

 資本の大部分はかつて土地へと転化されたが、今の主流は住宅、工業資産、金融資産となった。

 

 資本は外国、植民地へと向かい、外国投資資本が配当、利子、地代を生み出した。

 

 二度の世界大戦で、外国資産の膨大なストックは、やがて消滅した。

 

 戦後、資本は復活したが、それは国民資本であり、民間財産であり、純公的資本ではない。

 

 公的債務は民間資本の手駒、と社会主義者は洞察していた。

 

 20世紀、公的債務は富の再分配を行うという進歩主義的な見方が支持されるようになった。

 

 20世紀にはインフレによる再分配(対象の選択が雑、永久的には使えないメカニズムという欠点がある)のメカニズムが有効な歴史的役割を果たした。

 (筆者注、単純に蓄積された貨幣価値が下がることを利用したメカニズム、貨幣の表象する時間的ズレを利用)

 

 1963年、ジョン・メイナード・ケインズも、『金利生活者の安楽死』、経済と財政の危機を脱する手段として、許容したが、必ずしも正当な方法とは限らないと感じていた。

 

 これと同時に民間財産は20世紀のショック以前の水準へと回復している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 以下私見、引用ですが・・・


 結論を通り越してしまうが、佐伯先生は、『成長経済の終焉』(2003年)で、20世紀後半の先進国経済では、経済を主導するものが資源ではなく、需要、大衆の「欲望」ということを述べられている。


 西部先生は「無人格性」を特質とする「欲望」の渦に飲み込まれているのが大衆だともおっしゃってました。『輪郭なき時代』(『大衆への反逆』1983 所収)