確定申告(6)



 Q 月収1,000万円稼げるという詐欺商法でかなり損失が出ました。所得税法で何か手当てできます

  か?














 A 災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得

  控除の適用を受けることができます。これを雑損控除といい、所得税の還付が検討できます。


   詐欺にあうのは災害だと筆者は思慮いたしますが、所得税法上損害の原因は以下に限られていま

  す。


  (1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害


  (2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害


  (3) 害虫などの生物による異常な災害


  (4) 盗難


  (5) 横領




詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。









 所得の金額の計算上損失が生じた場合に、当該損失の金額を一定の順序にしたがって、総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額等を計算する際に他の各種所得の金額から控除し、所得税の還付が検討できます。


 ただし、所得の金額の計算上損失が生じた場合に、損益通算の対象となる所得は次の所得です。


(1) 不動産所得 


(2) 事業所得


(3) 譲渡所得


(4) 山林所得






(注) 1 利子所得及び退職所得は、所得金額の計算上損失が生じることはありません。

   2 配当所得、給与所得、一時所得及び雑所得の金額の計算上損失が生じることはありますが、そ

    の損失の金額は他の各種所得の金額から控除することはできません。









 一方かなり儲かった方で、各種の所得金額の合計額(譲渡所得や山林所得を含む。)から、所得控除を差し引き、その金額(課税される所得金額)に所得税の税率を乗じて計算した税額から配当控除額を差し引いた結果、残額のある方は、確定申告書の提出が必要です。