みんぽー要綱仮案(39)




3 破産手続の開始(民法第441条関係)



 民法第441条を削除するものとする。




4 連帯債務者間の求償関係



(1) 連帯債務者間の求償権(民法第442条第1項関係)


 民法第442条の規律を次のように改めるものとする。


ア 連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者

 は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、そ

 の免責を得るために支出した金銭その他の財産の額のうち各自の負担部分について求償権を有する。

 ただし、当該財産の額が共同の免責を得た額を超える場合には、その免責を得た額のうち各自の負担

 部分に限る。

イ アによる求償は、弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その

 他の損害の賠償を包含する。(民法第442条第2項と同文)





(2) 連帯債務者間の通知義務(民法第443条関係)


 民法第443条の規律を次のように改めるものとする。


ア 他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務

 者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債

 務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由

 をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその

 免責を得た連帯債務者に対抗したときは、その連帯債務者は、債権者に対し、相殺によって消滅すべ

 きであった債務の履行を請求することができる。


イ 他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって

 共同の免責を得たことを他の連帯債務者に通知することを怠ったため、他の連帯債務者が善意で弁済

 をし、その他有償の行為をもって免責を得たときは、その免責を得た他の連帯債務者は、自己の弁済

 その他免責のためにした行為を有効であったものとみなすことができる。



(3) 負担部分を有する連帯債務者が全て無資力者である場合の求償関係(民法第444条関係)


 民法第444条の規律を次のように改めるものとする。


ア 連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求

 償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する。(民法第444条本

 文と同文)

イ アの場合において、求償者及び他の資力のある者がいずれも負担部分を有しない者であるときは、そ

 の償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、平等の割合で分割して負

 担する。

ウ ア及びイにかかわらず、償還を受けることができないことについて求償者に過失があるときは、他の

 連帯債務者に対して分担を請求することができない。



(4) 連帯の免除をした場合の債権者の負担(民法第445条関係)


 民法第445条を削除するものとする。





5 不可分債務


 民法第430条の規律を次のように改めるものとする。


 連帯債務の規定(民法第438条の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合について準用する。






6 連帯債権


 連帯債権者の請求権等について、次のような規律を設けるものとする。


 債権の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債権を有するときは、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。





7 連帯債権者の一人について生じた事由の効力等


(1) 連帯債権者の一人との間の相殺


 連帯債権者の一人との間の相殺について、次のような規律を設けるものとする。


 債務者が連帯債権者の一人に対して債権を有する場合において、その債務者が相殺を援用したときは、その相殺は、他の連帯債権者に対してもその効力を生ずる。


(2) 連帯債権者の一人との間の更改又は免除


 連帯債権者の一人との間の更改又は免除について、次のような規律を設けるものとする。


 連帯債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があったときは、その一人の連帯債権者がその権利を失わなければ分与される部分については、他の連帯債権者は、履行を請求することができない。


(3) 連帯債権者の一人との間の混同


 連帯債権者の一人との間の混同について、次のような規律を設けるものとする。


 連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなす。


(4) 相対的効力の原則


 連帯債権について、次のような規律を設けるものとする。


 連帯債権者の一人の行為又は一人について生じた事由は、(1)から(3)までの場合を除き、他の連帯債権者に対してその効力を生じない。ただし、他の連帯債権者の一人及び債務者が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債権者に対する効力は、その意思に従う。






8 不可分債権


 民法第428条の規律を次のように改めるものとする。


 債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときは、各債権者は全ての債権者のために履行を請求し、債務者は全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。