代理
1 代理行為の瑕疵-原則(民法第101条第1項関係)
民法第101条第1項の規律を次のように改めるものとする。
(1) 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知ってい
たこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、そ
の事実の有無は、代理人について決するものとする。
(2) 相手方が代理人に対してした意思表示の効力が、意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと
又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有
無は、代理人について決するものとする。
代理人が相手方と通謀虚偽表示を行った場合、善意無過失の本人を保護する。
自己ノ意思表示カ真意ニ非サルコトヲ知リナカラ
相手方代理人ト通謀シテ之ヲ善意無過失ノ相手方本人ニ伝達セシメタルトキハ
代理人悪意ナルモ之カ為メ意思表示ハ其ノ効力ヲ妨ケラルルコトナキモノトス
大審院(上告審)、昭和14年12月 6日判決、大審院民事判例集18巻1490頁