第２ 意思能力
意思能力について、次のような規律を設けるものとする。
法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しないときは、その法律行為は、無効とする。
大審院（上告審）明治３８年 ５月１１日 判決、明治３８年（オ）第１８９号、大審院民事判決録１１輯７０６頁
法律カ禁治産者等無能力者ヲ特定シ其行為ヲ取消スコトヲ許シタルハ
無能力者ノ利益ヲ保護センカ為メ
意思欠缺ノ事実ヲ証明スルコトナク当然之カ取消ヲ為スコトヲ得セシメタルモノニシテ
此等無能力者ニ非サルモノヽ行為ハ絶対ニ其効力ヲ有スルノ趣旨ニ非ス
故ニ例ヘハ禁治産宣告前ノ行為タリトモ
事実上意思能力ヲ有セサリシトキハ
其行為ハ無効タルヘク
又之ト等ク縦令禁治産中ニ為シタル行為タリトモ
全ク意思能力ヲ有セサル事実アルニ於テハ
何等取消ノ意思ヲ表示スルコトナク当然無効タルヘキハ誠ニ明白ナル法理ナリトス