偽り、その他不正の行為(12)



争点〔2〕(偽りその他不正の行為。通則法70条5項)に関する当事者の主張






(1)被控訴人


ア 控訴人は,重加算税を賦課されるべき「偽りその他不正の行為」によって本件土地の譲渡に係る所得税額を免れ,本件各処分は,加算税の納税義務成立の日である法定申告期限の経過の時から7年を経過する前にされており適法である。


イ 納税者から納税手続を受任した者の行為は,原則としてその効果が本人に帰属し,受任者の行為が納税者の行為と同一視でき,受任者による隠ぺい又は仮装の行為がされた以上,その選任,監督について納税者に過失がない場合を除き,受任者の申告の効果が納税者に帰属する。







(2)控訴人


 控訴人は,前記のとおり,脱税をする意思がなく,脱税のための積極的な行為をしておらず,「偽りその他不正の行為によりその全部又は一部の税額を免れた」事実はなく,納税義務の成立の日から5年を経過した平成8年3月16日以後,平成2年分の所得税に係る加算税の賦課決定を行うことは許されない。