隠ぺい又は仮装(24)

 

 

 

 本日は原告の答弁を検討します。

 

 

 

 

 

 

 原告は、福島興産から昭和三五年一二月二九日および昭和三六年一月二七日の二回にわたり合計金一、〇〇〇万円を、弁済期はいずれも同年一二月三一日、利息年一割五分の約定で借り受け、

 

 なお、原告が右借入金の返済を怠つたときは、福島興産において別紙目録一ないし四(ただし三の12ないし14を除く)記載の物件中原告所有の物件を代物弁済により取得することができるが、

 

 その際には別紙物件目録一ないし四(ただし三の12ないし14を除く)記載の物件に設定された抵当権によつて担保されている原告の債務および原告の負担する公課のうちすでに右物件が差し押えられている公課部分について福島興産が引受けることを内容とする代物弁済の予約ならびに債務引受契約を原告、中山惣兵衛および福島興産との間で締結した。

 

 

 そして、原告が前記借入金を返済することができなかつたので、福島興産は、昭和三六年六月一四日、右代物弁済の予約に基づき完結の意思表示をして別紙物件目録一ないし四記載の物件につきその所有権を取得し、

 

 同年九月一一日所有権移転登記手続を完了した。

 

 ところが、福島興産の出資の持分を所有していた国華酒造株式会社(以下単に「国華酒造」という。)は、昭和三七年四月八日、これを大日本食堂株式会社(以下単に「大日本食堂」という。)に譲渡したため、

 

 中山辰郎は原告角家から退去を余儀なくされた。

 

 これに同情した大日本食堂代表取締役加藤清二郎は、昭和三七年三月上旬、右中山辰郎およびその妻中山小夜子に対し、更生資金として金一、五〇〇万円を支給することを約したが、

 

 被告の主張する営業権譲渡代金とは右金一、五〇〇万円のことである。