接待飲食費(1)

 

 

 平成26年度税制改正により、法人が支出する交際費等の額のうち接待飲食費の額の50%相当額は損金の額に算入することとなったと聞きましたが、改正の内容はどのようなものですか。

 

 

 

 

 

改正前における交際費等の損金不算入制度は、次のとおりとされていました(旧措法61の4)。

 

{1} 中小法人以外の法人……支出する交際費等の全額が損金不算入

{2} 中小法人…………………支出する交際費等の額のうち年800万円(以下「定額控除限度額」といいま

              す。)を超える部分の金額が損金不算入

 

 

(注)「中小法人」とは、事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人をい

   い、普通法人のうち事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人などの

   一定の法人による完全支配関係がある子法人等を除きます。以下同じです。

 

 平成26年度税制改正では、この交際費等の損金不算入制度について、その適用期限を平成28年3月31日まで2年延長するとともに、交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用社内飲食費を除きます。以下「飲食費」といいます。)であって、帳簿書類に飲食費であることについて所定の事項が記載されているもの(以下「接待飲食費」といいます。)の額の50%に相当する金額は損金の額に算入することとされました(措法61の4①④、措規21の18の4)。

 

 

 

(注)

 

  1.「社内飲食費」とは、飲食その他これに類する行為のために要する費用であって、専ら当該法人の役

   員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものをいいます。以下同じで

   す。

 

  2.1人当たり5,000円以下の飲食費で書類の保存要件を満たしているものについては、従前どおり、交

   際費等に該当しないこととされています(措法61の44二・6、措令37の51、措規21の18の4)。

 

 なお、中小法人については、接待飲食費の額の50%相当額の損金算入と、従前どおりの定額控除限度額までの損金算入のいずれかを選択適用することができ、定額控除限度額までの損金算入を適用する場合には、確定申告書、中間申告書、修正申告書又は更正請求書(以下「申告書等」といいます。)に定額控除限度額の計算を記載した別表15(交際費等の損金算入に関する明細書)を添付することとされています(措法61の425)。

 

これらの改正は、法人の平成26年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます(改正法附則77)。