納税者は上告し、裁判官全員一致の意見で上告棄却、となりました。
最高裁判所(第三小法廷)昭和五一年(行ツ)第九八号、昭和五七年二月二三日判決
本件更正処分等の後にされた青色申告の承認の取消処分の取消によって、
訴外会社は遡及的に青色申告法人としての地位を回復し、
青色申告書以外の申告書によるものとみなされた本件事業年度についての確定申告も青色申告書による申告であったことになるから、
青色申告書以外の申告書による確定申告に対するものとして繰越欠損金の損金算入を否認してされた本件更正処分は、
その限度において課税標準額及び税額を過大に算定したこととなって、
青色申告の承認の取消処分の取消によって後発的、遡及的に生じた法律関係には適合しないことになる。
しかしながら、このような場合、課税庁としては,青色申告の承認の取消処分を取消した以上、改めて課税標準額及び税額を算定し、
先にした課税処分の全部又は一部を取り消すなどして、
青色申告の承認の取消処分の取消によって生じた法律関係に適合するように是正する措置をとるべきであるが、
被処分者である納税者としては、国税通則法二三条二項の規定により所定の期間内に限り減額更正の請求ができると解するのが相当である。
そして、このような場合における納税者の救済はもっぱら右更正の請求によって図られるべきであって、
課税処分についての抗告訴訟において右のような事由を無効又は取消原因として主張することはできないものというほかはない。
そうすると、右のような事由が本件更正処分等の無効原因にはあたらないというに帰する原審の判断は、結論において正当として是認することができる。