上野事件(5)

 

 

上告は棄却されました。しかし、上告審として受理されました。 

 

 

 

理由は以下の通りです。

 

 

 本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法318条1項の事件に当たる。

 

 

 

 

 上告審は棄却さされました。理由は以下の通りでした。

 

 

 

 

 

 

 

 所得税更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分の取消判決が確定した場合には,

 

 上記各処分は,

 

 処分時にさかのぼってその効力を失うから,

 

 上記各処分に基づいて納付された所得税,過少申告加算税及び延滞税は,納付の時点から法律上の原因を欠いていたこととなり,

 

 上記所得税等に係る過納金の還付請求権は,納付の時点において既に発生していたこととなる。

 

 このことからすると,

 

 被相続人が所得税更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分に基づき所得税,過少申告加算税及び延滞税を納付するとともに上記各処分の取消訴訟を提起していたところ,

 

 その係属中に被相続人が死亡したため相続人が同訴訟を承継し,

 

 上記各処分の取消判決が確定するに至ったときは,上記所得税等に係る過納金の還付請求権は,被相続人の相続財産を構成し,相続税の課税財産となると解するのが相当である。