消費税の転嫁拒否(3)

 

 買いたたきとは,「商品若しくは役務の対価の額を当該商品若しくは役務と同種若しくは類似の商品若しくは役務に対し通常支払われる対価に比し低く定めることにより,特定供給事業者による消費税の転嫁を拒むこと」です。

 

 問題となるのは以下の事例です。

 

 

 

 

 ア 対価を一律に一定比率で引き下げて,消費税率引上げ前の対価に消費税率引上げ分を上乗せした額よ

   りも低い対価を定める場合

 

 イ  原材料費の低減等の状況の変化がない中で,消費税率引上げ前の対価に消費税率引上げ分を上乗せ

   した額よりも低い対価を定める場合

 

 ウ  安売りセールを実施することを理由に,大量発注などによる特定供給事業者のコスト削減効果など

   の合理的理由がないにもかかわらず,取引先に対して値引きを要求し,消費税率引上げ前の対価に消

   費税率引上げ分を上乗せした額よりも低い対価を定める場合

 

 エ  免税事業者である取引先に対し,免税事業者であることを理由に,消費税率引上げ前の対価に消費

   税率引上げ分を上乗せした額よりも低い対価を定める場合(注)

 

 オ  消費税率が2段階で引き上げられることから,2回目の引上げ時に消費税率引上げ分の全てを受け

   入れることとし,1回目の引上げ時においては,消費税率引上げ前の対価に消費税率引上げ分を上乗

   せした額よりも低い対価を定める場合

 

 カ  商品の量目を減らし対価を消費税率引上げ前のまま据え置いて定めたが,その対価の額が量目を

   減らしたことによるコスト削減効果を反映した額よりも低い場合

 

 

(注) 免税事業者であっても,他の事業者から仕入れる原材料や諸経費の支払において,消費税額分を負

   担している点に留意する必要がある。