確定申告の作法(20)

 

 

 

 孫を被保険者とし、契約者を私としていた生命保険を、孫に金銭を贈与して、当該金銭で孫がその保険料を支払う形にするため、契約者を私から孫に変えたのだが、贈与税が課税されるの?

 

 

 

 

 相続税法は、保険事故が発生した場合において、保険金受取人が保険料を負担していないときは、保険料の負担者から保険金等を相続、遺贈又は贈与により取得したものとみなす旨規定しており、保険料を負担していない保険契約者の地位は相続税等の課税上は特に財産的に意義のあるものとは考えておらず、契約者が保険料を負担している場合であっても契約者が死亡しない限り課税関係は生じないものとしています。

 

 したがって、契約者の変更があってもその変更に対して贈与税が課せられることはありません。

 

 ただし、その契約者たる地位に基づいて保険契約を解約し、解約返戻金を取得した場合には、保険契約者はその解約返戻金相当額を保険料負担者から贈与により取得したものとみなされて贈与税が課税されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相続税法  第5条  贈与により取得したものとみなす場合

 

 

 

 

 生命保険契約の保険事故(傷害、疾病その他これらに類する保険事故で死亡を伴わないものを除く。)

 

 又は

 

 損害保険契約の保険事故(偶然な事故に基因する保険事故で死亡を伴うものに限る。)

 

 が発生した場合において、

 

 これらの契約に係る保険料の全部又は一部が保険金受取人以外の者によつて負担されたものであるとき

 は、

 

 これらの保険事故が発生した時において、

 

 保険金受取人が、その取得した保険金(当該損害保険契約の保険金については、政令で定めるものに限

 る。)のうち

 

 当該保険金受取人以外の者が負担した保険料の金額のこれらの契約に係る保険料でこれらの保険事故が発

 生した時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分

 

 当該保険料を負担した者から贈与により取得したものとみなす。

 

 

 

 

 

2 前項の規定は、

 

 生命保険契約又は損害保険契約(傷害を保険事故とする損害保険契約で政令で定めるものに限る。)

 

 について返還金その他これに準ずるものの取得があつた場合について準用する。