確定申告の作法(4)

 

 

 平成25年中、金持ちお父さんになろうと思い、高レバレッジであるが全額借入金で、消費税が上がる前にアパートを1棟購入した(部屋数8室)。ただちに青色の申請も行った。今回の確定申告で、妻について事業専従者控除86万円を、青色申告特別控除について65万円を控除した。

 

 

 

 

 

 

 

 事業専従者控除はできません。

 

 

 青色申告特別控除は最高10万円です。

 

 

 

 

(所得税法第57条、措税特別措置法第25条の2第3項)

 

 

 

 

 不動産所得が事業的規模であるのか、事業的規模に至らない規模であるのかにより所得税法上の取扱いに差異があります。

 

 本件の場合、事業的規模とは認められないと、想定されますので留意が必要です。

 

 専従者給与(又は控除)及び65万円の青色申告特別控除額は、事業的規模の貸付けの場合にしか控除(適用)されません。

 

 

 

 

 

 事業的規模で行われているか否かの判定は、その実質に基づき判定されるのであるが、次の事実のいずれかに該当する場合には、特に反証がない限り、事業として行われているものとする(所基通26-9)。

 

① 貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること。

 

② 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

 

 

 

 

 

 不動産貸付けが不動産所得を生ずべき事業に該当するか否かは、

 

 

 

 

〔1〕営利性・有償性の有無、

 

〔2〕継続性・反復性の有無、

 

〔3〕自己の危険と計算における事業遂行性の有無、

 

〔4〕取引に費やした精神的・肉体的労力の程度、

 

〔5〕人的・物的設備の有無、

 

〔6〕取引の目的、

 

〔7〕事業を営む者の職歴・社会的地位・生活状況

 

 

 などの諸点を総合して、社会通念上事業といい得るか否かによって判断するのが相当と解される。

 

 

 

平成19年12月 4日裁決/国税不服審判所