国際課税原則の見直し(1)

 

 

平成26年度税制改正について、本日は、

 

 

国際課税原則の見直し

 

 

(1)外国法人の国際課税原則の見直し

 

 外国法人に対する課税原則について、いわゆる「総合主義」に基づく従来の国内法を、2010年改訂後のOECDモデル租税条約に沿った「帰属主義」に見直す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 法人に対する所得課税は、法人を内国法人と外国法人に区分して行われる。

 

 内国法人については、

 

 稼得した全世界所得に対して総合課税したうえで、国外で支払った外国税額を一定の条件で外国税額控除として認める全世界所得課税方式か、

 

 国内で稼得した国内源泉所得のみに総合課税し、国外源泉所得については課税しない国内源泉所得課税方式(国外源泉所得非課税方式)で課税きれる。

 

 

 一方外国法人については、国内源泉所得課税方式により課税されるが、国内に恒久的施設(PE:Permanent Establishment)を有する外国法人は総合課税,(事業所得課税)され、

 

 PEを有しない外国法人は、投資所得といえるような一定の種類の所得についてのみ源泉分離課税が行われる。

 

 なお、外国法人が総合課税される場合には、すべての国内源泉所得がPEに吸引されて課税される総合主義と、

 

 PEに帰属する所得が国内源泉所得として課税対象となる帰属主義がある。

 

 前者はPEとは関連を持たないソースルールによって所得の源泉地が決定されるが、

 

 後者はPE自体が総合課税の対象となる所得の源泉地を決定する機能を有している。

 

 また、所得の源泉地は、一般的には所得を生み出した経済活動が行われた場所とされているが、実務的には国内法及び租税条約により所得の種類毎のソースルールによって定められている。

 

 

 

 

 『税大論叢30号』「電子商取引における国際取引課税上の諸問題-外国法人の消費者向け取引の課税問題を中心として-」山﨑 昇著