個人の決算(7)

 

 第1審の判断を検討します。以下判示内容です。

 

 

 事業所得の金額の計算上

 

 必要経費が総収入金額から控除されることの趣旨は、

 

 投下資本の回収部分に課税が及ぶことを避けることにある

 

 と解されるころ、

 

 個人の事業主は、

 

 日常生活において事業による所得の獲得活動のみならず、

 

 所得の処分としての私的な消費活動も行っているのである

 

 から、事業所得の金額の計算に当たっては、事業上の必要経費と所得の処分である家事費とを明確に区分する必要がある。

 

 

 所得税法第45条1項は、

 

 家事上の経費(以下「家事費」という。)及びこれに関連する経費(以下「家事関連費」という。)で政令に定めるものは必要経費に算入しない

 

 旨を定めているところ、同条項を受けた所得税法施行令96条1号は、

 

 家事関連費のうち必要経費に算入することができるもの

 

 について、

 

 経費の主たる部分が「事業所得‥を生ずべき業務の遂行上必要」であることを要す

 

 ると規定している。

 

 

 このような事業所得の金額の計算上必要経費が総収入金額から控除されることの趣旨や所得税法等の文言に照らすと、

 

 ある支出が事業所得の金額の計算上必要経費として控除されるためには、

 

 当該支出が所得を生ずべき事業と直接関係し

 

 かつ

 

 当該業務の遂行上必要であることを要すると解するのが相当である。

 

 

 

 

 

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