馬券裁判(9)

裁判所は

 

 馬券購入行為による収入とは払戻金であって,払戻金の有無及び金額は購入した馬券の買い目及び金額に左右される上,馬券の購入数は全体としてオッズに影響を及ぼすのであるから,馬券購入行為とそれによって得られる収入に一定の因果関係があることは明らかである。

 

 競走結果のみを取上げて馬券購入行為との関係を論ずる検察官の主張は当を得ない、と判示した。

 

 

また、次の通り判示する。

 

 所得が雑所得に分類されている

 

 先物取引及び外国為替証拠金取引(FX取引)について見ると,

 

 少ない資金で大きな量の取引を行うことが可能なため,

 

 取引態様によっては,大きな利益を得られる一方で短時間に多額の損失を被る危険性も有しており,

 

 その投機性は非常に高いといえる。

 

 さらに,利益を得られるか否かについては

 

 商品取引相場又は外国為替相場及び利率の変動等に左右されることとなるが,

 

 この変動を生じさせる原因となる事象が全て予測可能なわけではなく,

 

 一定程度偶然が作用していることは否定できない。

 

 また,

 

 先物取引及びFX取引については,

 

 取引対象物の獲得を主たる目的とするのではなく,

 

 当該取引を行うことによって得られる差額により利益を得ることを目的としてなされることが多く,

 

 一般的にもそのようなものとして認識されている。

 

 

 ギャンブル的な先物取引及びFX取引は雑所得に分類されている。この点、競馬はギャンブルそのものではあるが、本件では雑所得として認識できる程度の所得発生の蓋然性があるのだろうか?