馬券裁判(4)

 被告人が購入した馬券のうち,当たり馬券の払戻金については,A-PATを通じて、自動的に被告人のPAT口座に入金された。

 

 なお,被告人は,半年ほど同一のユーザー得点及びユーザー抽出条件で購入した結果,収支がプラスになりそうにないと判断すれば,ユーザー得点及びユーザー抽出条件の設定を適宜見直していた。また,年末年始のようにまとまった時間がとれる場合にも,ユーザー得点及びユーザー抽出条件の見直しをしていた。

 

 

 被告人は,前記第2の4のとおり,平成16年から平成21年にかけて,全競馬場の新馬戦及び障害レースを除く全てのレースにおいて馬券を購入した。

 

 競馬開催日1日当たり数百から多いときには1000を超える買い目について馬券を購入し,その購入金額は1日1000万円以上に上ることがほとんどであり,その結果,平成19年度から平成21年度の3年間で馬券購入金額は合計28億円を超えている。

 

 

 本件ソフトに残されたデータによれば,被告人が払戻金によって得た収入は,

 

 平成19年は7億6778万1370円,

 

 平成20年は14億4683万5500円,

 

 平成21年は7億9517万6110円である。

 

 これに対し,年間を通じて購入した全馬券の購入金額は,

 

 平成19年は6億6735万200円,

 

 平成20年は14億2039万8800円,

 

 平成21年は7億8176万5600円であり,

 

 これらに毎年分の本件ソフトや競馬データ等の利用料金として毎年6万4500円を支出した。