新興国における課税問題(5)

 

 本国へのロイヤリティの支払には、相当の注意を要します。

 

 

 

 損金処理の否認

 

 【新興国全般】

 

・ ロイヤリティの支払いは利益への対価であるという考え方により、現地子会社が赤字の場合や利益が十分に

 出ていない場合には、ロイヤリティの支払いに見合うだけの便益を享受していないという理由で、現地子会

 社が支払ったロイヤリティを損金処理することが否認される場合があります。このようなケースは、中国や

 インドで、近年多く指摘されています。インドネシアでも、かつては盛んに指摘されました。(近年は比較

 的減少。)

 

 

 

 ロイヤリティ料率に係る移転価格課税

 

 【タイ】

 

・ 一般的に、タイにおいては3-5%を超えるロイヤリティ料率は税務当局の移転価格調査対象となるリスク

 が高い。ロイヤリティ料率については、その支払いの正当性を証明する資料(関連者から供与されている技

 術ノウハウ、役務の詳細、対価性等)の事前準備が不可欠ですが、日本側で十分な検証を行いロイヤリティ

 料率の決定を行った場合でも、特に料率の引き上げを行った場合については、根拠資料が不十分として課税

 される場合があります。