新興国における課税問題(3)

 

 新興国では、税収確保等を目的として、わが国企業の取引を不当な所得の海外移転とみなし、追徴課税をしてくるケースが多く見らます。

 

 

 無形資産とは物的な実態の存在しない資産をいいます。特許や商標権や著作権などといった知的資産、従業員の持つ技術や能力などの人的資産、企業文化や経営管理プロセスなどといったものが無形資産とされます。

 

 この無形資産を基因とした課税が行われることもあります。

 

 

 

【中国】

 

・ 中国に進出した現地子会社が多くの無形資産を有していて、その無形資産が中国国内で利益を得ることに

 寄与したとの中国税務当局の判断に基づき、高い利益率を適用され、追徴課税を受ける傾向にあります。

 

 この背景には、中国税務当局が、中国には大きな国内市場・高い市場価値があるという意識を持ち始めたためと言われています。

 

 

・ ハイテク企業認定管理弁法の認定を受けると、税率の優遇があるのですが、そもそも認定の条件として無

 形資産の保有があります。そのため、この無形資産分について上乗せした利益率を求められ、利益率が低

 いと判断された場合には、移転価格課税による更正を受けるリスクが高まります。