国外財産調書(2)

 

 国外財産調書制度においては、適正な提出をしていただくために次のような措置が設けられています。

 

 

イ  国外財産調書の提出がある場合の過少申告加算税等の優遇措置

  国外財産調書を提出期限内に提出した場合には、国外財産調書に記載がある国外財産に関して所得税・

 相続税の申告漏れが生じたときであっても、過少申告加算税等が5%減額されます。

 

 

ロ  国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置

  国外財産調書の提出が提出期限内にない場合又は提出期限内に提出された国外財産調書に記載すべき国

 外財産の記載がない場合(記載が不十分と認められる場合を含みます。)に、その国外財産に関して所得

 税の申告漏れ(死亡した者に係るものを除きます。)が生じたときは、過少申告加算税等が5%加重され

 ます。

 

 

ハ  故意の国外財産調書の不提出等に対する罰則

  国外財産調書に偽りの記載をして提出した場合又は国外財産調書を正当な理由がなく提出期限内に提出

 しなかった場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。ただし、期限内に提出しなか

 った場合には、情状により、その刑を免除することができることとされています。

 

 

 上記イ及びロについては、平成26年1月1日以後に提出すべき国外財産調書について適用されますが、ハについては、平成27年1月1日以後に提出すべき国外財産調書に係る違反行為について適用されます。

 

 

(国外財産の価額)

 国外財産の「価額」は、その年の12月31日における「時価」又は時価に準ずるものとして「見積価額」

によることとされています。また、「邦貨換算」は、同日における「外国為替の売買相場」によることとされています。

 

(注)国外財産の「価額」の意義や「見積価額」の算定方法の例示、外貨で表示されている財産の邦貨換算の方法については、国税庁ホームページ(www.nta.go.jp)に掲載している法令解釈通達でご確認ください。

 

 

(国外財産調書の記載事項)

 国外財産調書には、提出者の氏名、住所(又は居所)に加え、国外財産の種類、数量、価額、所在等を記載することとされています(国外財産に関する事項については、「種類別」、「用途別」(一般用及び事業用)、「所在別」に記載する必要があります。)。

 

(注)「事業用」とは、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業又は業務の用に供することをいい、「一般用」とは、それ以外の用に供することをいいます。

 

 

(所得税法上の「財産及び債務の明細書」との関係)

 国外財産調書を提出する方が、所得税法に規定する「財産及び債務の明細書」を提出する場合には、その財産及び債務の明細書には、国外財産調書に記載した国外財産に関する事項の記載は要しないこととされています。