消費生活用製品のリコール(3)

   

『製品事故』(法第2条第4項)とは、どのようなものなのでしょうか?

 

 

 

 消費生活用製品安全法において、『製品事故』とは、

 

 消費生活用製品の使用に伴い生じた事故のうち、

 

 一般消費者の生命又は身体に対する危害が発生した事故、

 

 あるいは、消費生活用製品が滅失し、又はき損した事故であって、

 

 一般消費者の生命又は身体に対する危害が発生するおそれのあるもの、

 

 のいずれかであって、

 

 消費生活用製品の欠陥によって生じたものでないことが明らかな事故以外のものをいいます。

 

 

 換言すれば、製品の欠陥によって生じた事故でないことが誰の目から見ても明々白々な事故は、この法律における製品事故には該当しないということです。

 

 

 

 ただし、製品の欠陥によって生じた事故ではないことが明白な事故か否かは、実際、なかなか判断に迷う場合があります。

 

 消費生活用製品安全法において製品事故に当たらない事故として、具体的に以下のものが挙げられます。

 

(1)自動的に製品事故から除外されるもの

 

 製品を用いて、故意に人体に危害を加えた場合

 

(例:包丁という製品を使用して、他人を傷つけ、大けがを負わせた場合。当然ながら、これは、包丁の使

   用による製品事故には該当しません。)

 

 製品自体は健全に機能しているが、製品外の事故が生じた場合

 

(例:自転車という製品を使用中に、背後から来た自動車に追突され交通事故に巻き込まれた場合。これ

  は、自転車の使用による製品事故には該当しません。)

 

 

(2)除外されるかどうかケース・バイ・ケースで判断をしなければ判断できないもの

 

 一般消費者による製品の目的外使用や重過失と考えられる場合等については、本当に製品の欠陥によって生じた事故ではないことが明白な事故なのかということについて、個別に判断を行うこととしています。

 

(例:天ぷら鍋を自動消火装置のついていないコンロにかけたまま、その場を離れた場合に発生した火災事

  故。)

 【消費者の重過失と考えられるため、製品事故に該当しない。】

 

(例:ホームセンターで売られている比較的安価なシュレッダーにおいて、家庭で子供が指を切断した事

  故。)

 【家庭で使用されていることが想定されながら、紙の投入口が子供の指のサイズを考慮して設計・製造さ

  れていなかったことや、投入口の材質が柔らかく、たわんで指が入るなど、製品の欠陥がないことが明

  白とはいえないため、製品事故に該当する。】

 

 

 製品事故から除外される事故事例については、経済産業省のウェブサイト上で順次公開され、事例の蓄積が図られています。