保証債務の相続(1)

 

 連帯債務者の1人が死亡し、その相続人が数人ある場合に、相続人等は被相続人の債務の分割されたものを承継し、各自その承継した範囲において、本来の債務者と共に連帯債務者となります。

 

(昭和34年 6月19日/最高裁判所第二小法廷/判決/昭和32年(オ)第477号)

 

 

 連帯債務は、数人の債務者が同一内容の給付につき各独立に全部の給付をなすべき債務を負担しているのであり、各債務は債権の確保及び満足という共同の目的を達する手段として相互に関連結合しているが、なお、可分なること通常の金銭債務と同様である。

 

 ところで、債務者が死亡し、相続人が数人ある場合に、被相続人の金銭債務その他の可分債務は、法律上当然分割され、各共同相続人がその相続分に応じてこれを承継するものと解すべきであるから(大審院昭和5年(ク)第1236号、同年12月4日決定、民集9巻1118頁、最高裁昭和27年(オ)第1119号、同29年4月8日第一小法廷判決、民集8巻819頁)、

 

 連帯債務者の一人が死亡した場合においても、その相続人らは、被相続人の債務の分割されたものを承継し、各自その承継した範囲において、本来の債務者とともに連帯債務者となると解するのが相当である、

 

とされます。

 

 

 先代の経営者がその会社に係る金融機関の借入金の連帯保証人となっている場合、その先代に相続が発生した場合先代の配偶者やその子は連帯債務者となります。

 

 そこで、負担割合は民法第427条によると、数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う、

 

ことになります。