平成25年度税制改正(4)

 

日本版ISA(少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)の拡充等

 

平成26年1月から適用されます。

 

「少額投資非課税制度」とは、少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置のことをいいます。英国のISA(Individual SavingsAccount)制度を参考にしているため、「日本版ISA」とも呼ばれています。

 

 具体的には、平成26年1月1日から平成35年12月31日までの間に、年間100万円を上限として専用の口座(非課税口座)で新規に取得した上場株式や公募株式投資信託について、その配当と譲渡益が、取得した年から最長で5年間、非課税となります。

 

 これと引き換えに上場株式の配当及び譲渡益については10パーセント軽減税率が廃止されます。

 

 

 本制度は、日本に住む20歳以上(その年1月1日時点)の者等が利用できます。利用するためには、一定期間(勘定設定期間)ごとに、税務署が交付する「非課税適用確認書(確認書)」が必要です(確認書の申請手続きは、口座を開設したい金融機関で行います。)。申請は、平成25年10月1日から可能ですが、申請には、基準日における住所を証する書類(住民票の写し等。基準日以降に住所変更のある場合は、住民票の除票の写し等。)が必要です。

 

 

 非課税口座では、年間100万円(購入手数料は除きます。)まで、上場株式等の買付けを行うことができます。ただし、年間100万円未満の買付けしか行わなかった場合でも、投資枠の残額を翌年以降に繰り越すことはできません。また、非課税口座で保有する上場株式等は、いつでも自由に売却できます。ただし、売却の結果、非課税口座で保有する残高は減少しますが、その分の投資枠の再利用はできません。

 

 非課税口座で保有する上場株式等を売却した結果、譲渡損失が生じた場合には、当該損失はないものとみなされます。したがって、他の口座(特定口座等)で生じた譲渡益や配当と損益通算を行うことはできません。また、当該損失の繰越控除を行うこともできません。

 

 非課税期間が終了すると、非課税口座で保有していた上場株式等は、自動的に他の口座(特定口座等)に移管され、移管後に受け取る譲渡益や配当は、課税の対象となります。この場合、移管された上場株式等の取得価額は、移管された時の価格となります。

 

 また、非課税期間が終了する場合でも、一定の手続きの下、非課税期間が終了する年の翌年の投資枠を利用して、非課税口座で保有し続ける(ロールオーバー)こともできます。