確定申告(16)

 

 不動産賃貸業を営む個人Aは、賃貸アパートの屋上に太陽光発電設備を設置し、これにより発電した電力をその賃貸アパートの共用部分で使用し、その余剰電力を固定価格買取制度に基づき電力会社に売却しています。この余剰電力の売却収入の所得区分はどのように取り扱われますか。

 

 余剰電力の売却収入は、不動産所得に係る収入金額に算入します。

 

 

 給与所得者が自宅に太陽光発電設備を設置し、その余剰電力による売却収入を得ている場合、その所得区分は一般に雑所得と解され、

 

 

 また、事業所得者が事業所に当該設備を設置し売却収入を得ている場合、その所得区分は一般に事業所得(付随収入)と解されます。

 

 

 なお、エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除は、事業所得の金額又は事業所得の金額に係る所得税額の計算における特例ですので、不動産所得を生ずべき資産である賃貸アパートに太陽光発電設備を設置し、その業務(事業)の用に供している場合には、これらの特例の適用を受けることはできません。

 

 

 不動産賃貸業を行う個人が、賃貸不動産に太陽光発電設備を設置し、全量売電を行っている場合の売電収入は、上記のような不動産所得との関連性が認められないことから、それが事業として行われている場合を除き、雑所得に該当すると考えられます。