確定申告(11)

 

 マンションのリフォームは、住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等に該当しますか。

 

 

 単なる壁紙の張り替えや壁の塗装だけのような内装工事の場合には、住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等に該当しませんが、一定の修繕・模様替えを行ったことにつき、建築士による証明がなされたものについては、住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等に該当します。

 

 マンションなどの区分所有建物のうち、その者が区分所有する部分の床、階段又は壁の過半について行う「一定の修繕・模様替え」の工事も住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等に該当しますが、その「一定の修繕・模様替え」とは、次に掲げるいずれかの修繕又は模様替えに該当することにつき建築士により証明されたものとされています(租税特別措置法第41条第6項、租税特別措置法施行令第26条第23項第2号、租税特別措置法施行規則第18条の21第13項第2号)。

 

 

 

① 区分所有する部分の床の過半又は階段(屋外階段を除きます。)の過半について行う修繕又は模様替え

 

② 区分所有する部分の間仕切壁の室内に面する部分の過半について行う修繕又は模様替え(その間仕切壁の

  一部について位置の変更を伴うものに限ります。)

 

③ 区分所有する部分の壁(建築物の構造上重要でない間仕切壁を除きます。)の室内に面する部分の過半

  ついて行う修繕又は模様替え(その修繕又は模様替えに係る壁の過半について遮音又は熱の損失の防止の

  ための性能を向上させるものに限ります。)

 

 

 なお、具体的には、①の「床の過半の修繕又は模様替え」とは、フローリング床の貼替えや畳床からフローリング床への貼替え全床面積の半分以上の工事などをいい、の「間仕切壁の一部について位置の変更」とは、間仕切壁の一部についてその位置を変えたり、取り外したり、新たに設ける工事をいいます。

 

 また、③の「遮音のための性能を向上させるもの」とは、遮音性能を有する石畳ボード、グラスウール、遮音シートなど特定の材料を新たに使用し、かつ、そのための適切な施工がなされているものをいい、

 

「熱の損失の防止のための性能を向上させるもの」とは、一定の算式により算定した熱伝達抵抗のその工事後の値が工事前の値に比して高くなるものをいいます。

 

 

 したがって、単なる壁紙の張り替えや壁の塗装だけのような内装工事の場合には、適用対象となる「修繕又は模様替え」には該当しないこととなります。