同族会社に支払った不動産管理料(1)

 請求人の子が代表取締役を務める法人にたいして支払った管理費は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるのでしょうか?

 

 裁決事例を検討します。

 

 

事案の概要

 

本件は、原処分庁が、不動産賃貸業を営む審査請求人に対し、

 

請求人の子らが受領した賃料については

 

請求人が所有する店舗用建物の賃貸借に基づく賃料であるから

 

請求人の不動産所得に係る収入金額に該当し、

 

また、請求人の子が代表取締役を務める法人に対して

 

請求人が支払った管理費用については

 

当該法人が当該店舗用建物等に係る管理業務を行っておらず、

 

請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することができない

 

などとして、所得税並びに消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分を行ったことに対し、請求人が当該処分の違法を理由としてその全部の取消しを求めた事案である。

 

 難解な日本語ですね! この部分を何度読んでも、何が論点となっているのかよくわかりません。少しずつ読み進めていきます。

 

 

基礎事実

 

 

請求人の夫であるHは、昭和48年3月9日付で、

 

Jほか7名及びK社との間で、H及びJらが

 

K社から融資される建築協力金を原資として、

 

Hの所有する土地並びにJらの所有する土地の上にHらの共有する店舗用建物を

 

K社の要望する建築仕様に基づいて建築した上、

 

賃貸人をHらとし賃借人をK社として、

 

本件建物を賃貸する旨の契約を締結して、本件契約に係る「建物賃貸借並びに建築協力融資金に関する契約書」と題する契約書を作成し取り交わした。

 

 H所有土地とJ所有土地は隣接しており、地主のHさんは、そこにK社の資金で、K社希望の建築仕様に基づいて、Hさん所有権の建物を建築したのです。

 Hさんは当該建物等をK社に賃貸借していたのです。

 

 税務上問題が起こりそうな雰囲気は感じられますよね・・・