耐震診断・耐震改修

 地震は世界のどの地域でも発生するわけではなく、プレート境界域に集中して起こります。日本の周辺には4つのプレート境界があり、地殻変動が激しく地震活動が活発です。そのため世界で起こるマグニチュード6以上の地震の2割以上が日本で発生しています。

 

 

 東京都は、住宅・建築物の耐震化の取組のさらなる拡充を図り、計画的かつ総合的に促進するため、平成19年3月に策定した「東京都耐震改修促進計画」を改定しました。

 

耐震診断・耐震改修の促進を図るための施策

 

(1) 基本的な取組方針

 

・ 自助・共助・公助の原則に基づき、建物所有者による主体的な取組を促す。

・ 技術的な支援を実施するとともに、公共的な観点から必要がある場合には、財政的な支援を実施する。耐

 震化促進に向け、区市町村や関係団体との連携を図る。

 

(2) 重点的に取り組むべき施策

 

ア 幹線道路沿いの耐震化

・ 地震発生時に閉塞を防ぐべき道路を指定し、一定の高さを超える沿道建築物の耐震化を促進する。

・ 「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」に基づき、耐震診断を義務付けるとと

 もに、耐震診断・改修等の費用助成を実施する。

イ 木造住宅密集地域の不燃化・耐震化

・ 防災都市づくり推進計画に定められた整備地域を対象に木造住宅密集地域整備事業を推進し、不燃化・耐

 震化を促進する。改善を一段と加速するため、「木密地域不燃化10年プロジェクト」を推進する。

・ 整備地域内の木造住宅を対象として、耐震診断・改修等の費用助成を実施する。

ウ 重点的に耐震化を図るべき建築物

・ 防災上重要な公共建築物については、耐震診断を速やかに実施し、計画的に耐震化を推進する。

・ 民間特定建築物のうち、百貨店・ホテル等については、耐震改修促進法に基づき耐震化を強く働きかけ 

 る。

・ 分譲マンションについては、耐震診断・改修等の費用助成、「マンション啓発隊」による普及啓発などに

 より、耐震化を促進する。

・ 木造住宅については、耐震診断の速やかな実施やリフォーム工事との連携などにより、耐震化を促進す 

 る。

 

 

耐震診断の費用は損金となりますが,耐震改修費用はどのように取り扱うのでしょうか?

 

 

 二次災害を回避するなどの目的で、被災した建物について耐震性を高めるために行った補強工事は、同規模の地震や余震の発生を想定し被災建物の崩壊等の被害を防止するなど、被災前の効用を維持するためのものが多いと考えられます。

 このため、法人が、被災資産(その被害に基づき評価損を計上したものを除きます。)の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出した費用について、修繕費として経理したときは、その処理が認められます(法基通7-8-6(2))。

 

 被災資産以外の資産について耐震性を高めるための工事を行った場合には、原則として、その工事に要した費用は、その資産の使用可能期間の延長又は価額の増加をもたらすものとして資本的支出に該当し、その支出金額が新たな減価償却資産の取得価額となります(法令55、132)。

 

 法人が、被災資産(その被害に基づき評価損を計上したものを除きます。)の修繕に代えて新規に資産を取得した場合には、新たな資産の取得に該当し、その取得のために支出した金額は資産の取得価額となります(法基通7-8-6(注)1)。

 したがって、その取得費用を修繕費として処理することは認められません。

 なお、この場合、被災した建物等を取り壊しているときには、その建物等の帳簿価額を除却損として計上することになります。