平成23事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について

 所得税及び個人事業者の消費税について、平成23事務年度(平成23年7月から平成24年6月までの間)に実施した調査等の状況が国税庁から発表されました。

 

 

 

(1)調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

 

 所得税の調査については、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査を優先して実施する一方、申告漏れ所得等の把握を実地により短期間で行う着眼調査を実施しています。

 このほか、文書又は来署依頼による面接等により、計算誤りや所得(税額)控除の適用誤りがあるものを是正するなどの接触を実施しています。

 

 実地調査の件数については、特別調査・一般調査が5万8千件、着眼調査が4万1千件であり、簡易な接触の件数については、67万6千件となっています。

 これらの調査等の合計件数は、77万4千件であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は、48万7千件となっています。

 

 

(2)申告漏れ所得金額の状況

 

 実地調査による申告漏れ所得金額は、全体で5,882億円であり、このうち特別調査・一般調査によるものは4,867億円、着眼調査によるものは1,015億円となっています。

 また、簡易な接触によるものは3,711億円となっており、調査等合計では、9,592億円となっています。

 

 

(3)追徴税額の状況

 

 実地調査による追徴税額は、全体で893億円であり、このうち特別調査・一般調査によるものは830億円、着眼調査によるものは63億円となっています。

 また、簡易な接触による追徴税額は268億円となっており、調査等合計では、1,162億円となっています。

 

 

(4)譲渡所得

 

 所得税のうち譲渡所得については、あらゆる機会を利用して収集した各種資料情報を活用し、申告のないもの又は申告額が過少であると認められるものを対象に、高額あるいは悪質と見込まれるものを優先して調査等を実施しています。

 譲渡所得に係る調査等の件数は、4万1千件であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は、2万7千件となっています。申告漏れ所得金額は、1,653億円となっています。

 

 

 

事業所得を有する者の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種は以下の通りです。

 

 

1  キャバレー

2  風俗業

3  情報サービス

4  水産養殖業

5  くず金卸売業

6  プログラマー

7  バー

8  人材派遣業

9  焼肉

10  不動産代理仲介業

 

 焼肉は前年度18位だったのですが,平成23事務年度は一気に9位に上昇しました。追徴税額は焼肉1件あたり,190万円となっています。