給与所得者の特定支出控除制度(7)

 

 平成23年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況によると,大卒の初任給の平均は20万2千円です。

 

 賞与が4ヶ月分として,年収323万2千円と仮定します。

 

 特定支出として,税理士講座簿記論受講料20万円,ス-ツ代30万円,図書費5万円,交際費6万円の合計61万円支出した場合,給与所得額は次の通り計算します。

 

 

① 給与収入額

 3,232,000円

 

② 給与所得控除額

 (①-1,800000円)×0.3+720,000円=1,149,600円

 

③ その年中の特定支出の額の合計額

  610,000円

 

④ 特定支出控除額

 ③-②×0.5=35,200円

 

⑤ 給与所得額

 ①-②-④=2,047,200円

 

 この場合,所得税額で1,700円(税率5パ-セントの場合)減税効果があるといえます。この減税効果をみると,無理をしてまで特定支出をするのはやめたほうがよいと思われます。