記帳義務(5)

 引続き、青色申告者のメリットです。

 

 

 

 青色申告者については、事業から生じた純損失の金額を、翌年以後3年間にわたって、順次各年分の所得金額から差し引くことができます(純損失の繰越し)。

 

 つまりその年分の計算した事業所得が赤字だった場合、翌年以降3年間の所得で黒字の年分の所得からその赤字金額を控除できるというメリットです。

 

 また、前年も青色申告をしている方で、前年分の所得が黒字で、所得税を納付している場合、その年分の所得が赤字になった場合、純損失の繰越しに代えて、その損失額を前年分の所得に繰り戻して控除し、前年分の所得税額の還付を受けることもできます(純損失の繰戻し)。

 

 ※ 純損失の繰戻しは、損失が生じた年分の確定申告書をその提出期限までに提出する必要があります。

 

 

 

一方、東日本大震災に関する税制上の措置として、以下が考慮されています。

 

 

 

 事業所得者等の有する棚卸資産、事業用資産等について大震災により生じた損失(以下、「事業用資産の震災損失」といいます。)を有する方の平成23年において生じた純損失の金額のうち、次に掲げるものについては、5年間繰り越すことができます。

 

 

 保有する事業用資産等に占める事業用資産の震災損失額の割合が10分の1以上である方

 

イ 青色申告の場合

 

  平成23年分の純損失の金額

 

ロ 白色申告の場合

 

   平成23年分の被災事業用資産の損失の金額と変動所得に係る損失の金額による純損失の金額

 

 

 上記以外の方

 

 事業用資産の震災損失による純損失の金額