記帳義務(4)

 青色申告者のメリットはまだあります。

 

 

 事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者で、その事業の遂行上生じた売掛金、貸付金などの貸金の貸倒れによる損失の見込額として、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れたときは、その金額を必要経費として認めるというものです。

 

 ただし、金融業の場合は 3.3%になります(一括評価)。

 

 なお、貸金のうち、貸倒れその他これに類する一定の事由による損失の見込額については、それぞれの事由に応じた限度額までを、貸倒引当金勘定に繰り入れることができますが(個別評価)、その際必要経費に算入された金額の計算の基礎となった貸金は一括評価を行う帳簿価額の合計額から除かれます。

 

 ※ 貸倒引当金に繰り入れた金額は、その翌年分において貸倒引当金繰戻額として収入金額に加算します。

 

 

 

 貸倒引当金とは、貸借対照表に計上される、売掛金や貸付金等の金銭債権に対する将来の取立不能見込額を見積もったものです。会計上は、取立不能の恐れがある個別の金銭債権について、取立不能見込額を個別に評価し貸倒引当金として控除し、また、その他の金銭債権については、過去の貸倒実績率等に基づき一括で評価し、貸倒引当金を計上します。

 

 

貸倒引当金の対象範囲

 

 

・ 売掛金、事業上の貸付金

・ 受取手形(割引手形、裏書手形)

・ 未収加工賃

・ 未収手数料

・ 事業上の貸付金の未収利子