パラツィーナ事件(4)

今日はジェネシスからの買入れに係る契約書を概観します。

 

 

 

 エンペリオンのジェネシスからの本件映画の買入れに係る契約書としては、Agreement of Purchase and Saleと題する書面(以下「本件売買契約書」といい、その内容を「本件売買契約」という。)がある。本件売買契約書には、概ね次のような規定がある。

 

 

(イ) 本件映画の価額は、次のとおりである。

 

 映画の題名 購入価額

 

 CASUALTIES OF WAR 41億3,353万3,800円

 OLD GRINGO     44億2,805万7,050円

 合計          85億6,159万850円

 

 

(ロ) 売主(ジェネシス)は、本件売買契約書の作成・交付とともに、

 

 〈1〉 本件映画に関する物件を、ラボラトリー・アクセス・レターによって、ラボラトリーに対し、買

    主(エンペリオン)の名義で譲渡し、

 

 〈2〉 本件映画に関するBill of Saleをエンペリオンに交付し、

 

 〈3〉 Assign-mentによって、エンペリオンに対し、著作権の譲渡を行う。

 

これらにより、本件売買契約は履行される。

 

(ハ) ジェネシスは、エンペリオンに対し、次のことを保証する。

 

  〈1〉 エンペリオンは、本件映画に関し、世界中における著作権、オリジナル・ネガティブ及び本件

     映画又はその部分が化体されている他の有体物及びその関連権利に対するジェネシスの完全な権

     利を得ること。なお、この権利には、エンペリオンとIFDとの間で締結される本件配給契約に

     おいて、エンペリオンがIFDに与えるべきすべての権利を与えることを可能とするすべての権

     利を含むこと。

 

  〈2〉 適切な品質規格、一定の上映時間及びアメリカ合衆国での上映上の一定のレーティング取得の

     蓋然性等を有すること。

 

  〈3〉 著作権等上の問題がないこと。

 

  〈4〉 試写等を除き、上映されたことがないこと。