消費者契約法(2)

 そもそも売買契約とは民法上どのように規定されるのでしょうか?

 

 

● 売買契約は,売主は目的物を買主に引き渡す義務を負い,他方,買主は代金を売主に支払う義務を負う、双務契約です。

 

● 売買契約は,売主は財産権を移転させ,買主は代金を支払うことになり,売主と買主との間に相互に対価的関係が生まれる,有償契約です。

 

● 売買契約は,売主が財産権を移転させるという約束をし,買主が代金を支払うという約束をすれば効力を生じる、諾成契約です。

 

 民法では、契約違反によって売買契約が解除されたときは、違反者にその解除によって生じた損害を賠償請求することができます。

 消費者契約法が適用される場合で、先日お話ししたそれぞれの状況があてはまるときには契約を取り消すことができます。これらの場合には、契約違反による損害賠償の請求はされません。

 

 消費者契約法による取消権は、誤認による場合には消費者がそれに気付いたときから6か月の間にしなければなりません。 また、消費者が誤認に気付かないまま年月が経過したような場合、消費者契約の日から5年で取消権は消滅してしまいます。

 

 

 民法上、契約を取り消した場合には、その契約は初めから無効であったものとみなされます。そこで、既に履行された部分に係る利益、相手に与えた損失については、その受益者が返還する義務を有しています。

 そこで消費者契約の取り消しの場合、つまり消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示が取り消された場合においては、典型的には、消費者は事業者に対して当初給付されたもの自体(原物)を返還し、一方、事業者は消費者に対して支払済みの対価を返還することになります。また、事業者から消費者に給付されたものが原物返還が不可能であるもの(役務など)である場合には、消費者は事業者に対して、その客観的価値を金銭で返還することになりますが、消費者の事業者に対する支払済みの対価が社会的に相当な額である限り、両者が相殺されることによって清算の必要はなくなります。