下請代金支払遅延等防止法(3)

情報サービス・ソフトウェア産業において下請法の適用を受ける取引は以下の通りです。

 

3億円の資本金基準が適用されるもの

 

・ プログラムの作成に係る情報成果物作成委託

・ 情報処理及び運送、物品の倉庫における保管に係る役務提供委託

・ 物品の製造

 

5千万円の資本金基準が適用されるもの

 

・ 情報成果物作成委託(プログラムの作成を除く。)

・ 役務提供委託(運送、物品の倉庫における保管及び情報処理を除く委託・修理委託

 下請法の適用の有無を判断するに当たって、請負契約であるか準委任契約であるかを峻別する必要はありません。下請法は、情報成果物作成委託、役務提供委託など委託の内容と資本金基準により判断されます。

「派遣契約」は、「労働者派遣法」の対象となり、委託取引とは異なるので下請法の対象とはなりません。

 3条書面に記載する必要がある具体的事項は以下の通りです。-情報成果物作成委託の場合

 

1.親事業者及び下請事業者の名称(番号、記号等による記載も可)

2.情報成果物作成委託をした日

3.下請事業者の給付の内容

4.下請事業者の給付を受領する期日

5.下請事業者の給付を受領する場所

6.下請事業者の給付の内容について検査をする場合は、その検査を完了する期日

7.下請代金の額

8.下請代金の支払期日

9.手形を交付する場合は、その手形の金額(支払比率でも可)と手形の満期

10.一括決済方式で支払う場合は、金融機関名、貸付け又は支払可能額、親事業者が下請代金債権相当額又 

  は下請代金債務相当額を金融機関へ支払う期日

11. 電子記録債権で支払う場合は、電子記録債権の額及び電子記録債権の満期日

12.原材料等を有償支給する場合は、その品名、数量、対価、引渡しの期日、決済期日、決済方法

 以下の行為に対しては、行為者(担当者)個人が罰せられる他、会社も罰せられることになります(50万円以下の罰金)。

 

◆書面の交付義務違反

◆書類の作成及び保存義務違反

◆報告徴収に対する報告拒否、虚偽報告

◆立入検査の拒否、妨害、忌避

 

  その他の違反行為に対しても、違反行為を行っている親事業者に対しては、公正取引委員会から勧告される他、中小企業庁から行政指導が行われます。

 

  また、公正取引委員会が勧告をした場合は、原則として、違反内容・社名が公表されます。

 

 親事業者が下請法を違反していると考えられる場合の手続きは、公正取引委員会や中小企業庁に対して、違反していると思われる具体的内容を摘示して申し立て(文書、電話)を行います。

 

 違反の疑いがあれば、行政が親事業者に対して、調査・検査を行います。