下請代金支払遅延等防止法(1)

 平成24年4月24日、公正取引委員会は,株式会社コナカに対し下請代金支払遅延等防止法第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反する事実が認められたため、下請法第7条第2項の規定に基づき,同社に対して勧告を行いました。

 コナカは,紳士服等の製造を下請事業者に委託しているところ,下請事業者に対し,「値引き」として,下請代金の額に一定率を乗じて得た額を負担するよう要請しました。この要請に応じた下請事業者について,コナカは,平成21年10月から平成22年11月までの間,下請事業者に責任がないのに,当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていました。減額した金額は,下請事業者10名に対し,総額3,073万6907円でした。

 

 

 コナカは,下請事業者に対し,減額した金額を,平成24年4月5日,返還しました。

 公正取引委員会がおこなった、平成22年度の勧告件数は15件(製造委託等13件,役務委託等2件)です。

 

 その内訳は,下請代金の減額が13件,下請代金の減額及び返品が1件,不当な経済上の利益の提供要請が1件です。

 

 下請代金支払遅延等防止法では親事業者の下請事業者に対する以下の行為を禁止しています。

 

 受領拒否      注文した物品等の受領を拒むこと。

 下請代金の支払遅延 下請代金を受領後60日以内に定められた支払期日までに支払わないこと。

 下請代金の減額   あらかじめ定めた下請代金を減額すること。

 返品          受け取った物を返品すること。

 買いたたき       類似品等の価格又は市価に比べて著しく低い下請代金を不当に定めること。

   購入・利用強制       親事業者が指定する物・役務を強制的に購入・利用させること。

   報復措置                 下請事業者が親事業者の不公正な行為を公正取引委員会又は中小企業庁に知らせたこ

                             とを理由としてその下請事業者に対して,取引数量の削減・取引停止等の不利益な取扱

                             いをすること。

 

 

 有償支給原材料等

 の対価の早期決済  有償で支給した原材料等の対価を,当該原材料等を用いた給付に係る下請代金の支

          払期日より早い時期に相殺したり支払わせたりすること。

 

 割引困難な手形

 の交付                  一般の金融機関で割引を受けることが困難であると認められる手形を交付すること。